目次
プロローグ 誤解だらけのデモクラシー理解
第1章 なぜ、田中角栄が偉大か―彼だけが、デモクラシー政治家である理由
第2章 官僚は、どう操縦するのか―角栄は、彼らを「生きたコンピュータ」と評した
第3章 はたして金権政治は“悪”か―デモクラシーは膨大なコストをかけて購うもの
第4章 政治家の「徳」とは何か―「運命を下僕にする力」こそ為政者の要件
第5章 デモクラシーとは何か―はたして「国民主権」が守られているか
第6章 暗黒裁判だった角栄裁判―江戸時代のままの日本人の法意識こそ問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鼻炎
2
これは日本における政治理解に対するアンチテーゼである。そもそも私がこの本を読まなければ今読まねばならなくなったのは民主主義を謳う国に産まれてしまったからであり、選挙権獲得年齢引き下げという愚策が実現してしまったからである。高校卒業時点の知識では政治理解に程遠いのは、アルファベットを覚えたからとて英文を読めないのと同様である。ならばジンテーゼを得るべく万人が本著を読むべきであるのは自明でなかろうか。これを読んだならば角栄批判の本も読むべきことも然り。政治理解とは円周率を求める作業に酷似していると私は考える。2016/04/29