小さな花

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  • サイズ B6判/ページ数 140p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876997749
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0065

目次

美しい時間(美しい時間;龍門石窟;美味 ほか)
人びとの跫音(矢内原伊作の三つの顔;中村真一郎あれこれ;堀田善衛私記 ほか)
ビュッフェ断章(女;駅;ヴォージュの広場 ほか)
翻訳、折り折りに(自由(エリュアール)
子どもの十字軍(ブレヒト)
異端者の外套(他一篇)(ブレヒト))

著者等紹介

加藤周一[カトウシュウイチ]
1919年9月19日、東京に生まれる。東京帝国大学医学部で血液学を専攻。医学博士。幼少から読書に親しみ、フランス文学や日本の古典文学に深い関心を寄せる。学生時代に中村真一郎、福永武彦らと「マチネ・ポエティク」を結成、押韻の定型詩を創る。戦後、留学生として渡仏し、医学研究のかたわら西欧各国の文化を摂取したことが、日本文化の特徴を考えるきっかけとなる。和漢洋の幅広い教養と繊細な感性をもって、評論・創作活動に従事。日本の文学・思想・美術の歴史を世界的視野から見つめる態度は、労作『日本文学史序説』(大仏次郎賞)を生んだ。カナダ、ドイツ、スイス、アメリカ、イギリス、イタリアなどの大学や、上智大学、立命館大学で教鞭をとる
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感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

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加藤周一のエッセイと翻訳。この世の善も悪も自分の懐に入れて、たじろがないこと。権力に媚びないこと。小さなものにも優しい眼差しを注ぐこと。こういったことが、ほんとうの知性ではないか、とこの本を読んで思った。「小さな花」の中で、権力の側に立たず、小さな花の側に立つと言い切る加藤周一こそは真の意味での知識人だった。友人だった福永武彦の死について語ったエッセイでは、端正な文章の中から著者の慟哭が伝わってきて、涙が出た。私が一番好きな詩の一つであるエリュアールの詩「自由」を、加藤さんが翻訳しているのも嬉しかった。2015/09/11

hyuki

2
「一方には史上空前の武力があり、他方には無力な一人の女があった。一方にはアメリカ帝国の組織と合理的な計算があり、他方には無名の個人とその感情の自発性があった。権力対市民。自動小銃対小さな花。一方が他方を踏みにじることほど容易なことはない。しかし人は小さな花を愛することはできるが、帝国を愛することはできない。花を踏みにじる権力は、愛することの可能性そのものを破壊するのである。」2009/06/15

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