内容説明
このブックレットは、1998年6月20日、京都で行われたくらしと協同の研究所第六回総会記念シンポジウムから再編集したものです。
目次
第1章 21世紀の経済システムと社会的共通資本
第2章 日本の教育にみる官僚支配
第3章 経済学の歴史と社会的共通資本
第4章 社会的共通資本をだれが管理するか
第5章 日本におけるコモンズの実験
社会的共通資本と協同組合―宇沢先生との対話を終えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
16
追悼宇沢弘文先生。ご冥福をお祈り申し上げます。特別講演と川口清史先生との対話から成るシンポジウム記録。レオ13世の資本主義の弊害と社会主義の弊害という、レールム・ノヴァルム(4頁)。『自動車の社会的費用』岩波新書、1974年。社会的共通資本とは、自然資本、社会資本、制度資本から成る(8頁)。文化経済学からは、さらに文化資本が加わってくると思われる。ヴェブレンの制度学派から、進化論的経済学を再考してみたい(11頁)。『日本の教育を考える』岩波新書、1998年(15頁)。 2014/10/04
ハンギ
1
経済学者の宇沢弘文さんは社会的共通資本を提唱者し、一部の人から支持されている。先の教皇のヨハネパウロ二世から協力を要請され、ローマ教会が出す回勅の協力などを行ったそうだ。資本主義でも社会主義でもなく、コモンズの設立を、と訴える姿はいいと思う。宇沢さんの思うコモンズは共有地という性格が強く、灌漑用水の管理だったり漁業組合だったりするするが、生活共同組合もある。近代を否定して、啓蒙前に戻ろうとするものだけど、それだけにやや不安も感じる。時間を巻き戻すことはできないが、よりマシな状態を模索する必要はあるだろう2012/07/11