内容説明
アッティカ三大悲劇詩人の殿による全作品が個人新訳にて刊行開始。本叢書版ギリシア悲劇全集第一弾。
著者等紹介
丹下和彦[タンゲカズヒコ]
関西外国語大学教授、大阪市立大学名誉教授。1942年岡山市生まれ。1970年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。2005年京都大学博士(文学)。和歌山県立医科大学教授、大阪市立大学教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
アテナイの衰退期、悲劇に日常を導入した作者は、主人公を英雄から人間に変更し、劇を相対化するコロスを場面転換のみに制限して登場人物の対話を重視した。彼の悲劇では復讐するメデイアは夫を奪われた一人の女であり、英雄ヘラクレスの子供たちは国家間の戦争の具となる。一方、作者は人間的な感情で混迷する物語に神の崇高を称える悲劇的仕掛けを作った。女神アフロディーテの嫉妬から死ぬヒッポリュトスにはヘラクレスが、タナトスに連れ去られるアルケスティスにはアルテミスが現れて劇の幕を引く。この仕掛けは「機械仕掛けの神」と呼ばれる。2019/07/21
nightowl
3
身代わりをくれたら寿命を今の年齢×2にすると言われ、奥さんが生贄として名乗りを上げた男の身勝手ドラマ「アルケスティス」、私だけ追い出され再婚なんて絶対に許さない「メディア」、迫害された子供のために後見人の爺やが立ち上がる「ヘラクレスの子供たち」、義理の息子への思いがばれた後妻がとんでもないことをする「ヒッポリュトス」の四本。心の揺れを書かせたらお手の物。「ヒッポリュトス」の父子の言い争いや「ヘラクレス~」の年老いても誇り高き男がこの巻では光る。2019/03/03
まぼろ
0
メディアのみ読了。2012/08/22
さりー
0
アルケスティスがハッピーエンドで良い。ハッピーエンドもっとあってもいいんじゃない? 2019/05/30