感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
悲劇は対立で世界を作り運命と人間の関係を教えるが、喜劇は対立に柔軟性を与え、立場の交換や逆転から引き出される笑いを欲望、貨幣、言語に浸透させる。偶然が支配する世界で自分の発見した黄金の壺に固執して周囲を騒がせる話や捕虜の息子を富裕な老人が取り返す話には、欲望と貨幣への固執が逆に交換を誘い、ダジャレ等の言葉遊びは言語を作品の外に連れ出す。「アンピトルオ」Amphitryoの話は近代のジドローやモリエールの劇に継承され、フランス語amphtryon/主人役、スペイン語amfitorion/ホストへと変奏する。2019/07/07
Βουλγαροκτόνος
0
面白いなーと思った作品(『アンピトルオ』『黄金の壺』)の後半部がことごとく欠損している……非常に残念。最初に一通り確認してから読むべきだと痛感した。内容はメナンドロスとかよりよほど面白いと思う(元ネタがメナンドロスという可能性もあるが)。2023/02/10