西洋古典叢書<br> ギリシア史〈2〉

西洋古典叢書
ギリシア史〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 231,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876981144
  • NDC分類 231
  • Cコード C1322

内容説明

国家のあるべき姿、将のとるべき行動を独自の倫理感で鮮やかに描き出す。2には第五巻―第七巻、および「解説」「索引」を収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのくま

8
クセノポンの歴史著述はトゥキュディデスとは異なりかなり恣意的に取捨選択され、かつスパルタ寄りテバイ嫌いの記述に終始するという。だが彼の他の作品を考慮に入れると、正確な歴史著述をするような人物のはずがないのだ。彼はソクラテスの弟子であり、プラトンの兄弟弟子なのであり、ある崇高な目的のために本書は著述された。決して歴史を記したかったわけではないというのは、プラトンの対話篇で実際のソクラテスを描いているわけではない事と同じであろう。つまり、本書は国家の「倫理」を希求した哲学書として読まねばならないのかもしれない2023/12/09

roughfractus02

6
本書全体を読むとペロポネソス戦争によるスパルタの勝利、ギリシャ世界での隆盛、レウクトラの戦い以後の衰退を辿れる。同時にスパルタに敗北したアテナイとスパルタに勝利するテーバイが描かれるが、その描写は神の嫉妬(ネメシス)に彩られているという。人間の奢りを諌める古代ギリシャの神的な正義はそのように表現された。前巻ではアテナイに圧政を強いるスパルタ、本巻では統制されたスパルタを打ち破るテーバイの傭兵隊を、著者は神の嫉妬の眼差しにおいて描写する。すると民主制、寡頭制、僭主制も動的な政治システムの一部と捉えられる。2022/06/25

ハルバル

1
コリントス戦争はペルシャ王の介入で終わり、やがて力をつけたテバイ対スパルタ・アテネ連合とのマンティネイアの戦いでエパメイノンダスが戦死した所で筆が置かれる。大局はスパルタとテバイの戦争だが、諸ポリスもどちら側につくかで内乱が起き、情勢はかなり複雑。テッサリアも介入するわで当時のギリシャの混乱ぶりがよく分かる。メッセニア建国などスパルタに不都合な描写を意図的に飛ばしたり公正さには欠けるが作戦について批評したりエパメイノンダスを高く評価するなど、軍事面の考察が面白かった2015/08/21

ヴィクトリー

1
この巻になると著者のスパルタ贔屓、テーバイ嫌いがはっきりして来る。レウクトラの戦いのテーバイ側の指揮官の名前が書かれてなければ、ラケダイモン侵攻後の戦後処理も書いてない。これで「記述に値する」事を云々されても説得力に欠けること甚だしい。文章の意味の前後の繋がりがよく分からないところもあるし、突然知らない人が登場もして来る。概ね訳注でカバーされてる(「不詳」と書かれているだけのことも多いが)が中には漏れがあるので、少し残念。付属の地図は別紙になっていて、本と一体化していないのは便利でよかった。2013/01/21

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