内容説明
ストア派哲学者でローマ五賢帝の一人、マルクスが綴った名高い哲学的日記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
46
自省録(タ・エイス・ヘアウトン) マルクス・アウレリウスの唯一の著書。再読した。ストイックの語源であるストア派。真実に善いものは、すなわち精神の美しさとしての徳。心を洗いたいときに読んでます。2022/02/05
Koichiro Minematsu
36
全てのものをなげうって、僅かのもののみを維持せよ。各人は、この現在という一瞬のみを生きているのであり、過去はすでに生き終えられた、未来は不確かであるかのいずれかである。心に刺さった一文です。2019/10/06
テツ
13
ありがとう哲人君主。ありふれたこと。誰もが耳にしたことがあるありがたいこと。マルクス・アウレリウスが『自省録』の中で二千年近く前に紡いだものを現代に生きるぼくたちだって実践などできてはいない。ある程度の知性をもった生物にはきっと必ず抱いてしまう不満や疑問が普遍的に存在していて(古代の人々だけでなく宇宙全体でもそうなのかもね)それはたかだか数千年で克服できるものではないんだろう。そんな棘を誰もが共有している(いた)ことを確認するようだなと再読して思う。みんな同じ病に苦しんでいる。2023/12/25
roughfractus02
12
マルコマンニ戦争の最中、ローマ軍を率いる皇帝として、死の不安に苛まれる個人として、著者が自らに語るように書かれた本書は、皇帝の立場で記すラテン語でなく、個人が記すギリシア語で書かれた。本書で著者は死への不安にストア派の倫理によって対峙する。言葉が行動と一つであるこの思想では、書くことは倫理的実践であり、自省は理性に従って感情(pathos)を抑制する技術である。ストア派の哲学によれば、倫理の実践は感情に否定接頭辞がつくアパテイア(apatheia)=不動心をもたらす。この戦争の陣営地で著者は没した。2019/07/17
じゅんじい
2
2Cのローマ皇帝アウレリウス 戦乱の日々のなかでのストイックな行動、思考は、幼少からの教育の成果なのだろうか。公開を予定しない自分自身だけに対する勧告や励まし反省が中心なので、心に響く文章が多い。2016/09/22