内容説明
アッシリアの勃興からローマ帝国の隆盛まで、壮大なスケールで描くヘレニズム世界の通史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
紀元前19年頃に書かれたポンペイウス・トログス『ピリッポス史』は散逸したが、3世紀頃に抄録したユニアヌス・ユスティヌス『ピリッポス史抄』によって伝えられた。ユスティヌスはトログスの44巻の部分より、その神話・伝説記述を選んで抄録したという。本書はその邦訳である。マケドニアのピリッポス2世、息子アレクサンドロス、その後の後継者争いやローマによる滅亡を記す本書が重要なのは、著者の属する地域や同時代を記述する年代記とは異なり、メソポタミアからペルシア、インドまでを想定した世界史(普遍史)として書かれた点にある。2022/06/13
刳森伸一
4
メソポタミア文明(アッシリア)からローマに至るまでの地中海の歴史。特にアレクサンドロス大王の父ピリッポス以降のヘレニズム時代の記述が多い。興味深いエピソードを選んではいるが、どこか教科書的で退屈してしまう部分もなくはない。しかし、折り込みの地図や注が充実しており、非常に読み易く、そして分かりやすい。アレクサンドロス大王の死後に起こったディアドコイ戦争やその後の世界について詳細に語っている本が少ないのだが、本書はそこが詳しく書かれており、有益だった。2016/12/13
Doederleinia berycoides
2
普遍史という概念がとても参考になった。これぞ世界史という一冊。ヘレニズム時代をおさらいするのに良い。一章が短くて読みやすい。系図や地図も充実。2012/08/22