現場がつくるケアプラン

現場がつくるケアプラン

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 144p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784876720491
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0036

出版社内容情報

厚生省が進めようとしている360項目のケアプランは介護を点数化・マニュアル化す[現場がつくるケアプラン]るものである。“問題点指向型”の官製ケアプランに対して、現場からの“目的指向型”のケアプランを提起した本書は、老人に関心を持とうとしない介護の現状を痛烈に批判している。

介護が切り拓いてきたものは何か  三好春樹 9

当事者性の欠如 10
介護職が目指すもの 11
私物の効用 12       
古い家には古い人がよく似合う 14
問題行動の原因を探る 17
個別ケアにこだわる 18
自分のケアに参画する 20
「老い」への着地 21
共同決定の原則 22
訓練から生活行為へ 24
ケアなき官製ケアプラン 26
チューブ外し学会にむけて 29
現場からのケアプラン 30

特養ホームの手作りケアプラン  高口光子 35

特養でのカルチャーショック 36
介護職会議で 38  
若い寮母たちの悩み 41
たったひとりの老人と巡り合うために 43
食事ケアについて 44
排泄ケアについて 46
入浴ケアについて 47
評価への抵抗感 50
ケアプラン事始め 51
好きな人から個別希望を聞き出す 54
危機を救ってくれた珠玉の一言 56
「家に帰りたい」という口癖 58
私物にこめられた意味 60
意味不明の踊り 61
大名行列のような里帰り 63
問題行動の背後にあったもの 64
寮母が生活歴に登場しはじめた 65

病院の手作りケアプラへの対応 106
軒下ケース会議のすすめ 108
看護と介護のバランス 111
投薬の前に考えること 113
地域ケアをだれが始めるか 115
チュープ外しの思想 116
食事ケアはこうする 118
バイキング食の効用 121
家庭をモデルにして 124
流れる業務・停滞する業務 126
一斉主義のレクリエーション 127
ローテーションと時間配分 129
ケアプランを進める上での資金問題 131
看護の視点・生活の視点 133
看護の常識をのりこえて 135
世代間コミュニケーションのむずかしさ 138
1年間のトータル・プランニング 141
お年寄りの呼び方 142


 私は、ケアプランそのものには反対ではない。ケアプラン、つまり介護計画を立てるなんてことは、むしろ当たり前のことである。いま、「ケアプラン」と騒ぎ立てている人たちは、これまで、一人ひとりの老人の介護方針さえ検討しないで仕事をしてきたのだろうか。
そもそも私たちが、他の職種と集まってケアプランを練るのは、ひとりの老人の運命が気になるからである。私たちのかかわり方ひとつで寝たきりのままの人生を送るのか、それとも、もう一度その人らしさを取り戻すのかが決まったりするのだから、とても無関心ではいられない。だからみんなで相談し、役割を分担し、よい結果が出れば喜び合い、うまくいかなければ、もう一度考え直すのである。
 MDSでなければならぬ根拠がない。従って、ちゃんとした介護現場なら、必然的、かつ自発的に、自分たちのケアプランのやり方を作ってきたはずである。私のいた特養ホームでは、処遇会議と呼ばれており、月に一度、2~3人のケースが話し合われて、記録用紙にそれが書かれ、全職員に回覧されていた。記録形式は、いくつかの項目に分けて散文で記述されるもので、いくつかの形式を試してみて、もっともシンプルなものに落ち着いた。とい

厚生省や行政からの「押しつけ」ケアプランではなく、本当に老人のためになるような現場からの「目的志向型」ケアプランを提起する。