感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
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小林多喜二は、志賀直哉を私淑した。「私淑」とは、直接の教えは受けないが、ひそかにその人を師として尊敬し、手本として学ぶこと(明鏡国語辞典)である。この点に関して、この本は、志賀直哉と小林多喜二の文学を丹念に読んで、小林多喜二の志賀直哉の文学の模倣時代を追求している。(p102~p153)著者は、文教大学の名誉教授で、中国の河北省の河北大学の名誉教授でもあった。中国の河北大学は、中国の小林多喜二研究のセンターであった。2006年には国際的な小林多喜二シンポジウムが河北大学において開催され、論文集も出された。