内容説明
「文革」は少数民族社会の従来の調和的な文化を根底から覆し、各民族間に従来からあった一般的な対立、生活習慣の違い、文化の違いを拡大させ、人民内部の対立を全面的な階級対立に仕上げて政治闘争の肉饅頭の中味に利用することで、癒すことのできない心の傷を残した。「文革」発生後、モンゴル人は「革命」という言葉を聞くだけで心臓が震え、略奪、虐殺、拷問が蘇る。これこそ「文革」のもっとも恐ろしくて深刻な毒性である。中国・内モンゴル「文化大革命」の真実を描く。
目次
世界四大奇談その四はここに始まる
「十三!」、人面鬼、仏祖の三使者
銀の鳥がひょろ長の家に喜びを報せる
幸福に酔うゴンボ家
太古に印された天界の平鍋と済公の化身
ハネ萱ゴンボと彼のキリギリスのバダマー
ハネ萱ゴンボがデデおばさんに歯ぎしりする
ハネ萱ゴンボは社会主義を守るため革命の征途に上る
ハネ萱ゴンボは世界を照らすため想像の翼を広げる
彼は英明な指導者の聡明な文書係となる〔ほか〕
著者等紹介
佐治俊彦[サジトシヒコ]
1945年鳥取県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科中国古典学博士課程修了。現在、和光大学表現学部総合文化学科教授
ボルジギン,ブレンサイン[ボルジギン,ブレンサイン][Borjigin,Burensain]
布仁賽音。1963年中国・内モンゴル自治区生まれ。早稲田大学大学院文学研究科史学(東洋史)専攻博士課程修了。現在、滋賀県立大学人間文化学部地域文化学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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