内容説明
世界は劇的に変化しているのに私たちは一向に変わろうとしない。変化に弱いのは人のもってうまれた原質でしょうか?世の中の根っこにある「ひとの方則」を見すえるエッセイ集。
目次
人間距離の美学―近きをつつしむ
生活のリズム
完璧
求め・フール
負の経験
知らぬが仏・忘れるが勝ち
虚言
竜頭型・掉尾型
「数」のちから
立場の違い
強者・弱者
英雄崇拝
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県生まれ。英文学者、言語論者、評論家。1947年東京文理科大学英文科卒業後、同大学特別研究生修了。1951年雑誌「英語青年」編集長。東京教育大学助教授を経て1968年お茶の水女子大学教授。1989年同大学名誉教授。同年、昭和女子大学教授、1999年同大学退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
colocolokenta
6
「だから、日本はダメなんです。」と、米国在住のある日本人が言っていた。その人は結局文句ばかり言って、なにもなすことなく過ごした。外山氏も、文句ばかりで、「ならば、どうすべきか?」という意見は少ない。「火事とケンカは大きいほどおもしろい」、ほかでも書いておられるが、みながみな、そんなことを思っているわけではない。先の震災でのことを心痛めていた人もいる。先達がこういうことを喧伝して、人心を不安に陥れるのは、老害に近い。『読者のご賛同を得たいという気持ちは無い』とのこと。こうなると言いたい放題である。2012/05/25
壱萬弐仟縁
5
「二世、三世、初代に及ばないことが多いのも、恵まれた育ちかたをする分だけ、二代、三代には、初代の汗と涙の苦労がないから」(62ページ)。そのとおり。三代目にして潰す、ということも言えることからも。「政治家は、国家、社会が進化、発達するにつれて、その数を増すことになる」(150ページ)。定数を減らせ、との主張は、単にコスト削減のみならず、社会の成熟の反映のようだ。他のエッセーも短文、簡潔にして説得力もある。こうした書き方を学ぶといいが、無駄の無い文章を書くことは、読者にとって曲解、誤解を生まない作法と思う。2013/01/09
しゅんぺい(笑)
4
やはり外山滋比古さんみたいな人は、いろんなことをちょっとずつ話してくれるような、エッセイのほうが好きです。 すごくあったかい考え方が、随所に感じられました。 「求む、フール」の話は特におもしろい。 またほかの著作も読んでいきます。2012/05/19
魚京童!
3
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-935.html2013/10/07
けんとまん1007
3
図書館で何気なく書棚を見ていて、手に取った1冊。懐かしい名前。なるほどと納得てきる部分もあれば、ついていけない部分も。ただいえることは、自分の言いたいことを明確に述べているということ。それは伝わってくる。ここまで、ハッキリと伝わってくるというのは、主張の内容はともかく、一つの技術だろうなと思う。人間的・・・というタイトルにも惹かれたのも事実。それも技術の一つかも。2013/01/16