内容説明
本書では、ディケンズ後期を代表する四作品を対象に、主として作者の創作上の指向の流れに則した分析を通し、彼の作品世界の新たな側面を浮かび上がらせることを試みている。
目次
第1章 Bleak House論:視点の拮抗(もう一つの“romantic side of familiar things”―主人公エスタの視点から;エスタの「語り」の謎)
第2章 A Tale of Two Cities論:視点の継承(Mr.Jarvis Lorryを発掘する;『二都物語』或いは「シドニー・カートンの物語」 ほか)
第3章 Great Expectations論:視点の交錯(「視点の物語」として読む;「逆転の物語」として読む ほか)
第4章 Our Mutual Friend論:視点の消失―「相互性」分析(序:表題再考;仮説:表題の含意 ほか)