内容説明
歴史小説とは史実なのか、フィクションなのか。歴史と芸術の結晶「山の民」を巻頭に、作家の代表作「李陵」「楼蘭」「婉という女」をはじめ、異色作「土佐兵の勇敢な話」「秘事法門」など、多彩な九作品を収録。
著者等紹介
江馬修[エマシュウ]
1889~1975年。岐阜県に生まれる。斐太中学中退、明治41年上京し、神田区役所に勤めるかたわら自然主義的な小説を書く。44年『早稲田文学』に短篇「酒」を発表し好評を得た。つづいてヒューマニズムを基調とする「受難者」「暗礁」などの長篇をつぎつぎと刊行して喝采で迎えられたが、関東大震災にあい、その体験が思想的開眼の機となった。大正15年欧州旅行、帰国後「プロレタリヤ作家同盟」の中央委員、『戦旗』の編集委員となり、同誌に小説・戯曲を発表。弾圧の強化とともに帰郷。郷里飛騨の調査研究に没頭し、郷土研究誌『ひだびと』(月刊)を発行
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