鳥たちの舞うとき

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鳥たちの舞うとき

  • 高木 仁三郎【著】
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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784875023388
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0036

内容説明

深い森と清流に恵まれたG県天楽谷で、ダム工事車の不信な事故があいついだ。地元の利権をめぐる対立、政争を背景に人とカラスの報復合戦がくりひろげられ、天楽地区の長(おさ)が逮捕・起訴される。肺ガンにおかされ余命半年を宣告された草野浩平は、裁判の支援を頼まれ、いつしか天楽谷の人々や森の鳥たちと深くかかわってゆく…。

目次

第1章 プロローグ
第2章 誘いこまれる
第3章 アオとの出会い
第4章 天楽平
第5章 長
第6章 告白
第7章 歯車がまわる
第8章 裁判
第9章 長の死
第10章 鳥たちの舞うとき
第11章 エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

94
ダム工事を巡る争いに巻き込まれた草野浩平は、自分の命を削りながら、天楽谷の自然を守るために戦う。作者は反原発の運動家で、プロの作家ではない。生涯に書いた小説はこれがただ1冊。そう書くと作者の主張が全面に出た小説と思われるかもしれない。そうではなくて、作者の祈りが美しく結晶した作品になっている。透明感のある文章を読んでいると、心が浄化される気がした。特に人間に自分の意思を伝えられるトンビのアオの存在が忘れがたく、動物たちも人間と対等であるという作者の気持ちが伝わってくる。→2016/11/25

yamakujira

7
タイトルから野鳥にまつわる内容かと思ったら、ダム建設現場での事故を報じる新聞記事から始まった。なので社会派小説なのかなと思ったら、途中で村人がトビと会話できたりする。じゃあファンタジーかと思えば、展開はダム建設をめぐる社会派のままで、なんとも不思議な物語だった。ダム建設反対運動に助力を乞われた主人公は、実は末期癌だなんて妙に重い設定だけれど、同じ状況の著者が遺した小説だと知ると、最後の仕事を成し遂げた浩平が羨ましくなる。新幹線は古河駅に停車しない、なんてくだらない指摘しちゃいけないね。 (★★★☆☆)2017/10/27

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