内容説明
17世紀のヨーロッパは天災や流行病、30年戦争などで大混乱の渦中にある一方、従来の世界認識を決定的にくつがえす科学革命も進行していた。統合と秩序への機運が切実な盛り上がりを見せるなか、デカルトやライプニッツをはじめとした当時の知識人たちは,曖昧性のない厳密な知識の獲得と交換を可能にし、さらには人知の改善と増進を実現するような言語の改革運動を繰り広げる。彼らの夢見た普遍言語とは、まさに全宇宙を合理的に総括する百科学体系だった…。本書は17・18世紀にヨーロッパを席捲した普遍言語運動をていねいに跡付け、その知的変遷史を浮き彫りにした展望の書である。
目次
第1章 真正の文字の言語―知的背景
第2章 共通の文字と初期の諸計画
第3章 哲学的言語
第4章 想像の旅と理想の言語
第5章 18世紀―言語の起源・一般的文法・普遍言語
第6章 1790年代のパシグラフィー
第7章 記号と思考
第8章 イデオローグと完全な言語
補遺(普遍言語としての身振り;17・18世紀における普遍的文字と言語の諸計画一覧)