内容説明
2人が一つになって永遠の高みをめざすプラトン的愛のかたちは失われたのか。近代科学の勃興期、ベーコンは女性的自然をどうとらえたか。母との関係性は、男の子、女の子にそれぞれどのような性の意識をもたらすのか。現代科学の理論は、ほんとうに客観的に成立するのか。フェミニズム、科学、心理学など、さまざまなジャンルから、ジェンダーに色づけされた科学の本質を暴く挑発的論文集。
目次
第1部 精神と自然の結びつきの変容(プラトンの認識論における愛と性;ベーコンの科学―支配と服従のわざ;近代科学の誕生における精神と理性)
第2部 主体と対象の内的世界(ジェンダーと科学;動的な自律―主体としての対象;動的な客観性―愛、力、知識)
第3部 科学の創出における理論、実践、イデオロギー(現代物理学における認識の抑圧;細胞粘菌の集合理論におけるペースメーカー概念の威力;もう一つの世界)