内容説明
近代合理主義によって葬られたかにみえる魔術。しかしフィチーノ、ブルーノなどが活躍したルネサンス期は、魔術こそが現実を変え得るパワーをもっていた。古代ギリシア哲学、霊魂二元論、気息、ヘルメス思想、グノーシス主義、占星術などに脈打つ「想像的なるもの」を緻密に検証し、ルネサンスの魔術的精神が、現代の心理学、広告宣伝などマスコミの大衆操作にまで及んでいることを示唆し、古代から現代への壮大な精神潮流に光をあてる意欲作。
目次
第1部 想像の働き(想像力の歴史;経験心理学とエロスの深層心理;危険な関係)
第2部 大いなる操作者(エロスと魔術;気息魔術;主体間魔術;神霊魔術)
第3部 宴のあと(1484年;想像に対する検閲;ファウスト博士―アンティオキアからセヴィリアまで)