内容説明
2011年5月3日の憲法記念日に、身に覚えのない「痴漢行為」で「現行犯逮捕」された憲法学者。自らの体験を元に、警察・検察・裁判所・メディアの「えん罪スクラム」に挑む。
目次
1 憲法学者のえん罪体験記(逮捕から釈放されるまで;激変した生活)
2 刑事手続に関する憲法上の権利(大日本帝国憲法での刑事手続;日本国憲法での刑事手続の内容;刑事手続きの現状;最近の代表的なえん罪事件)
3 捜査機関・裁判所・メディアの何が問題か(捜査機関に関して;裁判所に関して;メディアに関して;弁護士に関して―えん罪被害の悲惨さ)
4 えん罪を防ぐには(捜査機関が取り組むべきこと;裁判所に関して;メディアに関して;弁護士に関して)
著者等紹介
飯島滋明[イイジマシゲアキ]
1969年、東京生まれ。2007年3月、早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。2007年4月、名古屋学院大学専任講師、2010年4月、名古屋学院大学准教授。専門は憲法、行政法、平和学、医事法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だまし売りNo
28
冤罪被害は誰にでも起こることである。2023/05/16
みなみ
24
筆者自身の痴漢冤罪体験記や冤罪を防ぐために各主体が取り組むべきことについて紹介されている。被疑者が否認するなかで警察・検察官も実直に業務を遂行することが、被疑者側からしたら不当な扱いを感じることもあるだろう。ただ、えん罪は当然よろしくないので、客観証拠の収集は欠かせないと思いつつ読了。2022/09/09
こばちゃん
2
飯島滋昭著。憲法学者が覚えのない痴漢えん罪に巻き込まれた顛末が書かれている。著者は、えん罪被害の軽減のため、初期段階での実名報道を原則禁止することなどを提言している。法律に熟知している専門家が、しかもえん罪で逮捕された時、どのように防御するのだろうと興味本位で買ったが、彼でさえ、頭から有罪と決めつける警察には手をお手上げなところがあるようで興味深く読んだ。もちろん、警察とて、真犯人がみな自白する訳もないから必死である。どちらの気持ちも分かる気もする。規制行政の難しさも感じるが、えん罪はイクナイ。2013/01/08
ゆうな
1
警察も検察も信用できないなと 感じる一冊。またメディアに幻滅させられる一冊でもある。2013/07/15
てくてく
1
2011年に報道された痴漢冤罪事件の顛末、そして憲法や刑事訴訟法違反である行為を警察が行うのか、冤罪被害はどのように深刻なのかということがまとめられている。警察の体制もさることながら、警察の発表だけで、事実を確かめもしないで実名で報道する(しかし警察の不祥事については実名ではない)マスメディアの体制を批判している。2013/06/16