内容説明
無自覚のうちにも偏見と誤解に史食われた歴史観を克服し、事実にもとづく歴史認識を“国民的常識”とするために、日朝関係史の第一人者が古代から現代までエッセンシャルな事項を選んで、平易明快に説いた入門書。
目次
第1部 いま、なぜ「日本と韓国・朝鮮」なのか(「韓国」「朝鮮」という呼び方;日本にいちばん近くて「遠い国」;韓国・朝鮮との関係を抜きには語れない日本の近・現代史 ほか)
第2部 これだけは知っておきたい日本と韓国・朝鮮の関係(現代に生きている古代の日本と朝鮮の関係;日本への蒙古襲来と高麗の対モンゴル抵抗;豊臣秀吉の朝鮮侵略 ほか)
第3部 未来のために歴史を語り合おう(日本では、なぜふるい朝鮮観をひきずっているのか;歴史教育・歴史研究をふりかえって;未来のために歴史を語り合おう)
著者等紹介
中塚明[ナカツカアキラ]
1929(昭和4)年、大阪に生まれる。日本近代史専攻。近代日本における朝鮮問題の重要性を自覚し、1960年代から日清戦争をはじめ近代の日朝関係の歴史を主に研究。1963年より奈良女子大学文学部に勤務、93年、定年退職。この間、朝鮮史研究会幹事、歴史科学協議会代表委員、日本学術会議会員などをつとめる。現在、奈良女子大学名誉教授。また奈良県歴史教育者協議会会長、非核の政府を求める奈良の会常任世話人として活動している
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感想・レビュー
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TheWho
9
元奈良女子大学教授で近代日朝関係史が専門の親韓派の著者が、古代から近代迄の日朝間の歴史を紐解き日本を断罪する一冊。古代の朝鮮から先進文化の導入、白村江の戦い、元寇時の三別抄、文禄・慶長の役、そして明治維新から朝鮮併合を経て先の大戦迄一方的な日本悪玉論を展開している。特に天皇陛下の戦争責任論や日本は歴史を学ばなければ未来は無いと言う結びには、筆者が日本人では無く朝鮮人では無いかと思ってしまう程でした。戦後主流であった自虐史観とは何であったのか理解する上で興味深く、また驚愕な内容の一冊です。2014/04/07
がんぞ
3
メガパーセク(32.59兆㎞×百万)譲って「朝鮮が日本に対して勝者である」と認めたとして。占領(「三国人占拠」わが母から多少聞いた)と戦後処理に『敗者をも納得させる物語』は必須、さもなくば皆殺し=genocideするしかない。“日本は花のように美しい、たおやかな美少女朝鮮をレイプし今もその罪を認めない”とのストーリーは一方的な被害者という立場を熱望する人々には超甘味だろうが受け容れがたい。軍事介入のきっかけの『東学農民反乱』が正統の源という北朝鮮的立場らしい。「反日的風潮が高まるのは、日本の行動による」?2014/04/23
菊田和弘
1
事実を見つめることが最善の道だと、改めて思った。あらゆる言説に根があるのか、見極めるのは歴史しかないのかもしれません。歴史に親しみ、使えるようになるのは大人としてのマナーでもあるのかもしれません。2016/10/14