内容説明
突然の死は、校内球技会のさなか、大林先生を襲った。後には、母と、夫人と、三人の子が残された。何が、大林先生を死へ追い込んだのか―。「教師」は“知的な職業”というイメージとは裏腹に、激化する進学戦争の中で、コンピュータと、限りない業務に追われ、絶え間ないストレスと残業持ち帰りの長時間労働でいまや“3K”となった「教師の仕事」の実態を、つぶさに洗いだし、「過労死」を生まざるを得ない教育の現状を問いただす。
目次
1 突然の死―一九九一年五月九日
2 激化する進学競争と古河三高
3 三学年主任としての大林教愉の一年間
4 高校教師の「労働」の現実
5 なぜ誰も「心臓の危機」に気がつかなかったのか
6 「過労死」認定の厚い壁