内容説明
1980年代、現代思想ブームの渦中に登場以来、国内外の動向・思潮を客観的に見据えた著作と発言で論壇をリードしてきた橋爪大三郎が、20年間にわたり執筆した書評を初めて集成。明快な思考で知られる著者による、書評の最良の教科書。
目次
思想を読む
社会を読む
知の前線を読む
世界を読む
時代を読む
生活文化を読む
解説・論文とブックガイド
インターネット鼎談書評
著者等紹介
橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年、神奈川県に生まれる。1972年、東京大学文学部社会学科卒業。1977年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。フリーの執筆活動を経て、1989年から東京工業大学に勤務。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻・教授。専門分野=論理社会学、宗教社会学、現代社会論など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
32
随分古い本なので、書評されている未読の本の多くを読もうとは思いません。既読の本のレビューとして、著者はどういう問題意識で読んだのか、知に対する向き合い方の修練として読みました。細かい読解よりは、誰でも理解できる言葉に、その知識人の力量が表れます。著者の言葉は、誤魔化すことが無い生真面目さが文章からにじみ出ており、とりわけ解像度の大きい言葉に力があります。その著者が「でも、我慢して読んでいくうちに…少しずつわかり始めました」と書いてあると、読み辛く、分からない文章でも、忍耐強く読まなければと気持ちを新たにし2019/05/30
魔魔男爵
1
橋爪が20年間に依頼されて書いた書評を収録したもの。社会科学の硬い本が多いが、佐々木教の『ナンパ写真日記』なんていう軟弱の極地の本まである。ポケモンの本も漫画も有り。小説は日本がほとんど。海外SFは一冊もありません。橋爪は中学の2年間にSFを読み捲くりSFはもう読む価値がないと悟ったそうです。その分自然科学本が多ければまだ納得出来るが、人文科学社会科学に偏向しているので、自然科学や数学のファンにはあんまり参考にはならない。ホフスタッターの見事な解読もあるが、ジェンダー観芸術観が普通なので橋爪はもう読まぬ。2013/04/22
薫風堂
1
書評って職人芸だなとあらためて思う。離れて眺めたり、寄り添ったり、真正面から格闘したり。いろんな距離の取り方がある。2010/08/12