他者と死者―ラカンによるレヴィナス

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 274,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784874154984
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

同じ一つのことを言うためには二人の人間が必要だ。ラカンの精神分析理論を手掛かりに、レヴィナスの「他者」論を読み解く。さらなる謎へと誘う美しい思考のアクロバシー。

目次

第1章 知から欲望へ(難解とはどういうことか?;問いの差し戻し ほか)
第2章 テクスト・師・他者(完全記号;師としての他者 ほか)
第3章 二重化された謎(対面;呪われた独学者 ほか)
第4章 死者の切迫(死体;“私”とは誰のことか? ほか)
終章 死者としての他者(死んだあとの私;タブーと自責;父殺し;「罪を犯した私」と「自責する私」)

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科(仏文専攻)中退。東京都立大学人文学部助手を経て、神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

36
【図書館】Très très bien!-a significant contribution to scholarship! 新角度からの提示、もしくは問題提起がなされている。フロイトやレヴィナスを並行して議論を進めていく所など、世界を見渡してもとても貴重だろう。ラカンからレヴィナスへと移行しようとするその瞬間が美。ただ、229頁のレヴィナスのアブラハム解釈はあまり的を得たものではないと思う。恐らく本書に列挙されていない文献をみると分かるだろう。何をおいても、本書が何かの扉になることは間違いないだろう。2014/02/26

白義

8
ラカンとレヴィナス。二人とも現代思想の中でも、群を抜いて超難解な思想家だ。この本は、彼らの分かりにくさの理由と必然性から始まり、円滑なコミュニケーションを不可能にする他者について考えを深めながら、逆にその場所から始まるコミュニケーションの豊かな可能性を浮き彫りにさせている。ぼくから見ると東浩紀の郵便本と微妙に響き合うものがあるように思う。やがて他者の中でも根幹的な『死者』と出会うことによる倫理の可能性を描いていく。内田樹の思想全ての、多分原点にして最高傑作2011/04/06

訃報

4
私たちが「良心の痛み」や「やましさ」を感じるのは、「私の邪悪な願望が成就した後の未来の私」という仮想的視座に立つことができる場合に限られる。 「汝殺す勿れ」の戒律を内面化できるのは、「殺した後の、血に汚れた手をして死体を見下ろす私」に想像的に同一化できる人間だけである。2021/08/01

かりんとー

4
頭の中で火花がスパーク!第4章最高!2017/09/03

保山ひャン

3
レヴィナスは難解でラカンはさらに難解、という出だしでツカミはOK。、師弟関係の話や、有責性の話は読ませる。第4章「死者の切迫」は白熱した。勧善懲悪、因果応報が善への志向には結びつかない、という指摘は喫緊の課題なのだが、ずっと前から喫緊の課題であり続けている。これを喫緊の課題だ、とか言ってすましていること自体に罠があるのかもしれない。2016/11/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/566685
  • ご注意事項