内容説明
「理知」のエリナか、「情熱」のマリアンか。みどり豊かな19世紀英国の田園を舞台に愛と結婚の真実に迫る、必読の『新・恋愛入門』。英米で大ヒット、話題の映画原作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
95
大陸ではナポレオン絶頂期にあたる大戦乱時代の1811年に書かれた作者6長編の第1作目。夫に先立たれた後妻とその冷静で分別のある長女エリナ、多感で元気な次女マリアンが様々な波乱の後、それぞれにふさわしい伴侶を見つける物語。オースティンの物語空間は地主階級・有閑階級の世界であり、猛烈な悪漢は登場せず、殺人も暴力もないかわりに資産がものをいう世界。だが、その中で展開するのは不変かつ普遍の男女間のテーマである。読めば一気にオースティンの世界、最後のどんでん返しで思わず涙が出てくるほどのめりこまされた。G1000。2023/05/26
punto
13
ジェーン・オースティンのうち、残っていた一冊。昔映画で最後の部分だけ見て、惹き付けられたのを覚えています。しかし、今回は一日で一冊読んだけれど、苦痛とは言わないけどちょっと途中でどうでもよくなった。結末を知っていたから、というのと、ウィロビーは「高慢と偏見」のキャラに似ていて、大佐はナイトリーさん的なところがあり、なんとなく前の作品を思い出してしまったから。マリアンとエリナの姉妹は好きでした。私は、ウィロビーの告白を聞いても、彼に対する心証は全くよくなりませんでした。2018/01/28
algon
11
「分別と多感」なのだがこの本は前年に原作が映画化され女優エマ・トンプソンが脚本を書きアカデミー脚色賞を得た。本来の題名を副題にして1996年映画名で出版された本。それにしても著者20歳の頃の第1稿というから、姉エリナの分別をもとにした心理を長編の中で展開するストーリーテリングには驚嘆する。一方多感な妹マリアンはカリカチュア気味に表現されて読み手としてはやや引き気味に。当時の上流の結婚観(相性もあるけど財産が大事よねぇ)もモロに出ていてまぁ単純な恋愛ものではない。著者の様々な結婚譚、なるほどと楽しめました。2022/04/04
ごへいもち
7
面白かった。不慣れな回りくどい言い回しがあって丁寧に読まないと意味が反対になりそうになったりすることもあったけどドラマチック2010/07/18
Lesen
6
久しぶりにオースティンの作品を読みたくなったので。思慮深く、分別のある姉と感情豊かで情熱的、多感な妹。親戚、友人と繰り広げる日常の小さな世界。とロマンス。悲喜劇。極端なまでの登場人物の性格が滑稽。そして、姉エリナが感情を抑制しているので、他の作品よりも皮肉がキツク感じる。そういう所も面白さではある。妹のマリアンは無分別だけれど、エマ程にはイタイ人物ではない。オースティン作品はパターン化しているのだけれど、それでも寝不足になるくらいに夢中になってしまう。何処が面白いと問われると困るのだけれど。(続く)2012/02/24