奴隷の国家

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  • サイズ B6判/ページ数 260,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784872335446
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0098

内容説明

20世紀の先進産業社会には奴隷の国家が出現した。この国家は、資本家・労働者・社会主義的知識人の合意と協力のうえに成立し、大衆の奴隷化を条件とした資本主義の安定成長を可能にした。しかし今、奴隷の国家のきしみはひどくなってきている。この国家体制からの出口はどこにあるのか。ベロックの反資本主義的自由主義は、どこに隷属からの解放の道があると指すのか。そうした解放への道はかつて在ったし今も在る。だが、その道に辿りつくためには、まず奴隷の国家がいかにして出現したかを知らねばならないだろう。

目次

序論 この本の主題
第1節 幾つかの基本的な定義題
第2節 ヨーロッパ文明はもともと奴隷制だった
第3節 奴隷制はいかにして一時的に消滅したのか
第4節 分配型国家はいかにして挫折したのか
第5節 資本主義国家は完成に近づくにつれ不安定になる
第6節 この不安定性の安定した解決
第7節 社会主義は、資本主義の難問の一見したところ最も容易な解決である
第8節 改革派も改革される者も等しく奴隷の国家へ向かう
第9節 奴隷の国家が始まった
結論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Amano Ryota

2
「資本主義的な思考様式がすでに広く行き渡っている社会において所有権の分配に対立する最も強力な要因は、やはり精神的な要因である。」格差の是正に抗する要因は、分配方法の問題であると考えられているし、それが一つの要因であるのは間違い無い。だけど、仮に平等な分配によって富がもたらされるとして、それを自由に使用する権利が与えられた時、僕はそれを使うのだろうか。奴隷の国家というのは、その善悪は別として、肉体の安全と引き換えに、精神の不自由を受け入れたものたちで作られる。自由とは何なのか、よく分からなくなってしまった。2016/02/26

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