内容説明
世紀末の審美的人生観を実践したダンディの典型ワイルド。これまで研究の手がつけられなかった短篇技法の具体的分析をとおして、その文学観を鮮やかに映し出す画期的作品論。各国でますます高まるワイルド評価の波に新生面を開く収穫。
目次
プロローグ(Oscar Wilde評伝;Oscar Wilde年譜)
第1章 『キャンタヴィルの幽霊』論―「光」と「影」の交錯
第2章 『アーサー・サヴィル卿の犯罪』論―「手相に現われた宿命」と「義務としての殺人行為」
第3章 『謎のないスフィンクス』論―「神秘」への誘いと言語操作
第4章 『模範的百万長者』論―プロット構成の妙味とサプライズ・エンディング