内容説明
日本人にもおなじみのアメリカの現代作家サリンジャーはじめ、W・キャザー、S・ベロウの小説を鋭敏な感性と独自の切り口で読み解く画期的な作品論集。アメリカ個人主義の確立と崩壊の過程を現代小説の中に辿り、個として生きることの意味とその限界を浮き彫りにし、新たな問題点を提示する。
目次
1章 田舎と町―ウィラ・キャザー『私のアントニア』論
2章 岩への帰郷―ウィラ・キャザー『教授の家』論
3章 演技と聖性―J.D.サリンジャー論
4章 「家」と「個」―日本とアメリカの場合を中心に
5章 父性の成就―ソール・ベロウ『雨の王ヘンダソン』論
6章 存在の支えを求めて―ソール・ベロウ『ハーツォグ』論
7章 「個」としての男女のコミュニケーション―サリンジャーとベロウの場合
8章 〈個人〉を超えて―ソール・ベロウ『学生部長の十二月』論