感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
四野一二三
14
曇りの日なんかは朝から『そういえば最近見てなかったな』と気になり夜に家に帰り風呂上がりの濡れた頭でぼんやり眺めたりする画集。こういった閉ざされた異常性に対して不快に思わないのは作者の画力の高さと私の異常性がリンクしているからだろうか。大学時代に当時好きだった先輩を招いてもんじゃを振る舞った時にこの画集を見られてからあからさまに一定の距離をとられたのは良い思い出である。縛られたいとかなぶられたいとかは全く思わないがこの絵の女性達にうっすらと憧れがあるのは何故だろうか。2016/09/26
片瀬
7
沙村広明さんの"責め絵"画集。女性の裸体を傷つけたり縛ったり貫いたり…迂闊に直視すると痛々しくてなりません。それでも素晴らしい、もっと見たい、と思えてしまうのは沙村さんの卓越した画力のせいなのでしょうか。「同じ責め方の絵を二枚以上描かない」「それを守ったまま百枚(以上)描く」。そのような画題でひたすら絵を描き続けるというのが、ある時の沙村さんの目論見だったそうですが…ああ、人を責めるのにも根気が要るのだな、エロ妄想力も下手すると枯渇するのだな、と思いました。うーむ、なんとも形容しがたい気持ち。2014/01/20
unknown
4
猟奇的かつ残酷な責めと、痛々しい描写の数々。しかしその一方で沙村氏の線画描写にお世辞抜きで惹きこまれてしまいました。重みのある人体デッサンと肉感のあるタッチから滲み出るえもいわれぬ艶かしさ。責め苛まれてい る女体がオブジェの一つと化しているかのような印象も受け、鉛筆の黒灰の濃淡が捻り出す退廃的な雰囲気と相まって、猟奇的な中にある残酷美を際立たせているように思います。猟奇もまたエロにおける一つのスパイスであるということを再認識。
yoyosoin
3
良い画集に出会ったでござる。2011/05/25
fon
3
究極に近い「残酷な」エロ妄想力…視覚からダイレクトに伝わる妖艶さ…眺めているだけで吐き気がする世界観…沙村だから許される幻想美…言葉を並べてもぴったりくるモノがないなぁ…2010/07/04