綺想迷画大全

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  • サイズ A5判/ページ数 289p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784870318243
  • NDC分類 720.4
  • Cコード C0095

内容説明

サルの将軍ハヌマーン、多頭の魔王ラーヴァナ、白い悪魔、飛行する仙人と空飛ぶ絨毯、西方へ飛ぶこうもり、角のない犀…など、「未知」への好奇と憧憬に満ちた「面白ヴィジュアル作品」の謎を深い洞察力と該博の知識で解き明かしつつ、読者を「視る快楽」へといざなう、綺想迷画漫遊記。

目次

1 交錯する異形(ワット・プラケオのハヌマーン;多頭怪ラーヴァナ ほか)
2 空間のあそび(空飛ぶ絨毯;ムガルの架空庭園 ほか)
3 動物たちの旅(果物を献ずるサルたち;サル絵と植民地 ほか)
4 いつものできごと(十八世紀のフィギュア・スケート;まちなみ散策 ほか)

著者等紹介

中野美代子[ナカノミヨコ]
1933年、札幌生まれ。北海道大学文学部卒。北海道大学助手、オーストラリア国立大学助手・講師、北海道大学助教授を経て北海道大学教授を歴任。1996年、北海道大学言語文化部教授を退官。専攻は中国文学。現在、北海道大学名誉教授。中国文学者にして、シノロジー図像学の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

35
読んだというのは些か語弊がありまして・・「視た」という訳。「歯医者さんの待合室」の連載物を一挙にビジュアル化した大物。持って読むだけでも辛どい。休みの間に読まねばと目を落ち窪ませ。。綺想の語って筆者の作語?中国文学が専門とあって150枚以上のカラー図版は見ているだけでも飽きない。特に27章の細かい市中往来図は圧巻。もっとも我が国にも洛中洛外の凄い芸術もあるけど。とりわけ面白かったのは乾隆帝時期のハンコぺたぺた。貴重な絵画であるはずの余白は後の皇帝が勝手に文字や矩形印でえらいことに!地球も歴史も様々です。2016/08/21

yn1951jp

15
再読。いつまで見ていても飽きない!どこかでこんな美術展を開催して欲しい!!人が生る「おしゃべりの樹」、博物学の世紀の驚異の部屋「地図としての絵」、驚異と奇想のエクゾチックな「鳥の絵傑作」、機械仕掛けで灌水し植物の繁茂する楽園「ムガルの架空庭園」、遠近法の中に理想都市を、山水画に理想郷を描く「まちの模型と楽園の模型」、キリスト教の天界を描く教会天井画や井戸の中から龍を仰ぐ中国の藻井「天の井戸に何がいる?」、橋市の賑わいや都市の綺想風景「橋上マーケット」「画家(ペインター)か製図家(ドラフトマン)か?」など。

舟華

12
目についたので特に期待することもなく読んでみたけれど、かなり面白かった。奇想迷画というと私が苦手そうな響きだけれど、おどろおどろしいものは特になく。著者の考察を読みながら、じっくりと観察できたことは大きい。著者の特性か、アジア(特に中国)が多かった。この本がなければ一生目にしなかった絵だってあるんだなぁ…なんて思うと本ってやっぱり素晴らしい。2019/10/18

ほしけも

9
絵画の本ってわりと技術面とか小難しい歴史の話が出てきて疲れて挿絵ばっかりみてることが多いんだけどこの本は文章が面白い。 時代や国によってそれぞれ「好んで」描いていたものがある。 つまり誰かに描かされてた部分もあるけどやっぱり絵が好きで描いてたんだろうなあと想像出来てよかった。 ここがヘンですね~おもしろいですね~と気取らない文体が良い。2014/09/14

8
This is a 名著!著者が中国文学者であることは前情報として知っていたので、中国の長い歴史の中で埋没してる珍奇な絵画を紹介してくれるのかな、と読み始めたらそんな事は無かったぜ。まさしく古今東西(紀元前12世紀~19世紀・東南アジア~ヨーロッパ)の画を様々な切り口で色鮮やかに魅せて頂きました。「歯医者さんの待合室」」という雑誌で連載していたもので、文も平易でとても判りやすく素晴らしかった。このレベルの博学者でこの印刷レベルの本は日本では希少なのでは?トリビア詰め込まれすぎて凄すぎ!なぜこんなに無名なの2013/04/26

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