内容説明
主人公のチャンスは孤児である。生まれてすぐ偶然にも大富豪に拾われ、庭師として育て上げられた。屋敷と庭から一歩も外に出たことがない。学校にも通ったことがない。読み書きもできない。庭仕事をしている以外は、ひたすらテレビを見ている。ところがある冬の日、主人が死んでしまい、生まれて初めて外の世界に出ることに…。童話のような、寓話のようなおかしなおかしな一週間の物語。映画『チャンス』の原作、27年ぶりに新訳で復刊。
著者等紹介
コジンスキー,ジャージ[コジンスキー,ジャージ][Kosinski,Jerzy N.]
1933年ポーランド生まれ。両親はロシア革命時の亡命ユダヤ人。第二次世界大戦勃発とともに両親と別れ、浮浪児として生き永らえる。戦後、両親と再会。成績はきわめて優秀で、大学で歴史と政治学を学んだ後、ソビエトへの留学も果たしている。若くしてポーランド科学アカデミー教授に就任するも、1957年にほとんど無一文で米国に亡命。3年後、コロンビア大学在学中に作家デビュー。1991年、57歳のときマンハッタンの自宅の風呂場でビニールの袋を被ったまま窒息死。遺書があり、自殺とされた。死の前後に複数の雑誌や新聞で彼とCIAとの関係や、実は多くの作品がゴーストライターによるものだったのではないかなどと報じられた。『庭師 ただそこにいるだけの人』は1979年に『チャンス』というタイトルで映画化され、主演のピーター・セラーズはオスカー賞を受賞し、コジンスキーはアメリカ作家協会とイギリス映画・テレビ芸術アカデミーから年間最優秀脚本賞を授与された。その他の作品に『異境』(1969年、全米図書賞・小説部門)などがある
高橋啓[タカハシケイ]
1953年北海道生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、出版社勤務。1980年、アルジェリアでの日本資本のプラント建設現場に通訳兼コーディネーターとして参加、1年半を過ごす。帰国後、ビジネス文書の翻訳をしながら、徐々に仏文翻訳家としての活動に専念。近年は英文翻訳家としても活躍
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感想・レビュー
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