内容説明
人を半人前扱いするとはどういうことかという問いは、結局のところ、私たち全員に向けられた問いである(終章より)。身体(医学モデル)と社会(社会モデル)の二分法を架橋し、アメリカにおける「障害社会学」から「障害者の語りとしての障害学」への分水嶺ともなった、ゾラの主著にして必読の書。
目次
第1部 その前(「障害の克服」は障害の物語のはじまりにすぎない;はじまりには理念があった;初めての理想郷訪問)
第2部 その間(もりだくさんすぎる一日―五月二五日 木曜日;一日を埋めつくす細々とした出来事―五月二六日 金曜日;一年でもっとも華々しい夜―五月二七日 土曜日;自分と向き合い、対話する―五月二八日 日曜日;権力も愛も、分かちあう事は難しい―五月二九日 月曜日;立っているか座っているか、それですべてが違ってくる―五月三〇日 火曜日;過ぎ去れど、忘れえず―五月三一日 水曜日)
第3部 その後(聞くのも難しいが、語るのはさらに難しい―身体障害者と慢性疾患患者の世界という実現しそうもなく、実現しても問題だらけであろう世界についての考察;廃疾にいたる四つの階段―性の否定、怒りの否定、脆弱さの否定、可能性の否定;インテグレーション、個人、社会についての、締めくくりではあるがとても終わりとはいえない考えのいくつか)
著者等紹介
ゾラ,アーヴィング・ケネス[ゾラ,アーヴィングケネス] [Zola,Irving Kenneth]
1935年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州生まれ。ハーバード大学卒業。医療社会学者。16歳で罹患したポリオ・サバイバー。アメリカ障害学会(Society for Disability Studies)創設メンバーであり、学会ニュースレターの『季刊障害学』(Disability Studies Quarterly)は、生前ほとんど一人で編集していた。「アメリカ障害学創設の父」と呼ばれている。1994年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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