私的所有論 (第2版)

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私的所有論 (第2版)

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  • サイズ A6判/ページ数 973p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784865000061
  • NDC分類 361
  • Cコード C0136

出版社内容情報

この社会は、人の能力の差異に規定されて、受け取りと価値が決まる、そしてそれが「正しい」とされている社会である。
そのことについて考えようということだ、もっと簡単に言えば、文句を言おうということだ

この本はたしかに長くはある。ただ、基本的な「動機」「主題」はいたって単純なものだ。
この社会は、人の能力の差異に規定されて、受け取りと価値が決まる、そしてそれが「正しい」とされている社会である。そのことについて考えようということだ、もっと簡単に言えば、文句を言おうということだ。そして、人々は実は別の価値を有してもいるとも言ってしまい、そして別の社会を示そうということだ。(「それから——第2版に」より)。
立岩社会学の主著、文庫版となって待望の第2版刊行! 解説=稲葉振一郎。

目次
第1章 私的所有という主題
 1 私的所有という主題
   [1]能力  [2]所有=処分に対する抵抗  [3]自己決定の外側、そして線引き問題
 2 主題が置かれている環境
   [1]技術・生命倫理学  [2]社会学  [3]問いについての歴史

第2章 私的所有の無根拠と根拠
 1 所有という問題
   [1]自己決定の手前にある問題  [2]私的所有という規則
 2 自己制御→自己所有の論理
   [1]自己制御→自己所有の論理  [2]批判  [3]「自由」は何も言わない
 3 効果による正当化と正当化の不可能性
   [1]利益?(1)  [2]利益?(2)  [3]「共有地の悲劇」?
 4 正当化の不可能性
   [1]サバイバル・ロッタリー  [2]正当化の不可能性

第3章 批判はどこまで行けているか
 1 自己決定の条件
   [1]批判を検討する  [2]決定のための情報  [3]自己決定ではないとする批判
   [4]他者(達)の侵害/パターナリズム
 2 公平という視点
   [1]何が問題にされているか  [2]富者しか利用できない?  [3]貧しい者が搾取される?
 3 交換と贈与について
   [1]交換と贈与について  [2]本源性の破壊?

第4章 他者
 1 他者という存在
   [1]制御しないという思想  [2]私でないのは私達ではない  [3]他者である私
   [4]「自然」  [5]他者という存在
 2 境界
   [1]境界という問題  [2]境界線は引かれる  [3]β?その人のものでないもの
   [4]α?その人のものであるもの  [5]α/β
 3 自己決定
   [1]自己決定は肯定される  [2]自己決定の/を巡る困難  [3]自己決定は全てを免罪しない
   [4]決定しない存在/決定できない事態  [5]自己決定のための私的所有の否定
   [6]条件を問題にするということ
 4 技術について
   [1]技術  [2]「私」  [3]私が私を作為することに対する他者の感覚
   [4]離脱?  [5]他者による規定
 5 生殖技術について
   [1]抵抗の所在  [2]単なる快と不快という代償  [3]偶然生まれる権利

第5章 線引き問題という問題
 1 自己決定能力は他者であることの条件ではない
 2 線はないが線は引かれる
   [1]線引きの不可能  [2]同じであること/近いこと
 3 人間/非人間という境界
   [1]ヒトという種、あるいは、人であるための資格
   [2]人のもとに生まれ育つ人であることを受け止める人  [3]資格論の限界
   [4]その人のもとにある世界
 4 はじまりという境界
   [1]はじまりという問題  [2]生産物に対する権利  [3]他者が現われるという経験
   [4]所有と資格

第6章 個体への政治
 1 非関与・均一の関与
   [1]自由な空間  [2]均質な関与・権力の透明な行き渡り  [3]自己を制御する自己の想定
   [4]関数の不在→個体関与の戦略
 2 主体化
   [1]主体化  [2]二重予定説  [3]公教育  [4]介入・成長・消失
 3 性能への介入
   [1]環境・遺伝への注目と介入  [2]アメリカ合衆国とドイツにおける優生学
   [3]優生学の「消失」
 4 戦略の複綜
   [1]自己原因/被規定性  [2]放任/介入  [3]介入/非関与  [4]個体への堆積

第7章 代わりの道と行き止まり
 1 別の因果
   [1]社会性の主張  [2]真性の能力主義にどう対するのか
   [3]間違っていない生得説に対する無効  [4]因果を辿ることの限界
 2 不可知による連帯
   [1]保険の原理による修正  [2]可知になる時
 3 抵抗としての自由
   [1]抵抗としての自由  [2]自由であるための資格
 4 より「根底的」な批判
   [1]能力主義者である私の否定  [2]関係の自然史  [3]政治学への転換  [4]閉塞?
 5 行き止まりを通り抜ける
   [1]禁じ手を使う  [2]人のいない市場  [3]円環から抜ける

第8章 能力主義を否定する能力主義の肯定
 1 問い
   [1]いくつかの問い  [2]答が答えていないことについて
 2 I<私が作ったものが私である>の否定
   [1]手段性・個別性に関わる批判  [2]手段性の不可避性  [3]個別性の不可避性  [4]Iの否定
 3 II<能力に応じた配分>の否定+肯定
   [1]正しさはないが起こってしまう  [2]廃絶の試みについて
   [3]市場+再分配という退屈な仕掛けの、しかし退屈であるがゆえの採用
 4 III<能力しか評価してはならない>の肯定
   [1]IIIは所有・契約の原理からは導かれない  [2]I・IIはIIIを正当化しない
   [3]IIIの擁護
 5 結論と応用問題への回答と解けない問題
   [1]結論および再確認  [2]他者があることの経験の場——例えば学校について
   [3]遺伝子検査と雇用、保険  [4]他者が他者であるがゆえの差別

第9章 正しい優生学とつきあう
 1 出生前診断
   [1]出生前診断  [2]障害者の社会運動の批判  [3]女性の運動の批判・応答
   [4]残されている問題
 2 女性の「自己決定」という設定の錯誤
   [1]決定の対象は「自己」ではない  [2]負担者であるがゆえの権利という論理
 3 「当事者」の不在
   [1]「本人の不幸」という主張は成り立ちえない  [2]抹殺とする批判を採らない
   [3]範疇に対する差別?
 4 なぜ私達は行うのか
   [1]不快/不都合  [2]死/苦痛  [3]いずれも勝手な行いであることの中の差異
   [4]「正しい」優生学としての出生前診断・選択的中絶
 5 何がなされうるのだろうか
   [1]知らされてよいのか  [2]積極的な権利としての選ばない権利
 6 積極的優生について
   [1]積極的優生  [2]積極的優生は不愉快だから禁止される
 7 引き受けないこと
   [1]否定するのでなく、場から降りること  [2]小さな場に現われる  [3]私から遠ざけること

ごく単純な基本・確かに不確かな境界──第2版補章・1
 1 単純な批判と基本的な位置 
   [1]いたって単純なことが書いてある [2]根拠?
 2 人に纏わる境界 
   [1]位置 [2]殺生について [3]人間の特別扱いについて [4]始まりについて
 3 人に対する人
     [1](非)介入──とくに(予め)よくすることについて 
   [2]承認の重みを軽くすること
 4 人に纏わるもの・世界 
   [1]譲渡を求める/求めないもの [2]環界
 5 分けられるものの分け方 
   [1]ありうる(まともな)批判について  [2]三つの場面からの三つの層に分けられる分配 
   [3]強制・権力について

いきさつ・それから──第2版補章・2
 1 なりゆき 
   [1]いきさつ [2]私に対置されるのは私たちではないと思ったこと
   [3]第2版までの些事
 2 その後 
   [1]その後 [2]社会内の境界  [3]「生命」のこと [4]現在の歴史

おわりに
解説 稲葉振一郎
文献リスト
索引

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

∃.狂茶党

9
複雑な問題を、平明に論じていくのだが、いかんせん量が多く、キャパシティを越えてしまう。 優生思想について、大きくページが割かれている。 ここに示された難問は、おそらく解決不能であるだろうが、より良い状態は模索すべきだろう。 このより良い状態ってのが、優生思想の根幹を成しているからやっかいだ。 全面否定は安易なのだ。 意思決定をめぐる問題や、個人レベルではどうしようもない社会的に解決すべきであろう事柄など、たとえば、イーガンなどのSFや、24年組(と影響下)の漫画などを見る目が、決定的に変わるだろう。 2022/11/14

けいぎ

6
長かった。よかった。まず、自分は自分の身体を所有しているとか、自分で作ったものは自分のものとか、そういう信念は自明ではないということが言われる。そしてまた、思い通りにならないこと(他者性)がこの世界を面白くしているのではないか、それは大切にされるべきではないか、と主張される。彼の作ったものは彼のものではないのだし、別の人(他者)のものになってもよいはずである。財は配分していい。ただもちろん人は労力をケチったりする生き物だから、多く生産する人には多く配分してもいいかもしれない。など。文体が伝染るので注意。2015/07/22

JunTHR

2
ようやく通読。初めて挑んだときは、すぐに挫折したが、立岩真也の他の著作を読んだあとに戻ってきたら、だいぶ読めるようになっていた。理論への理解が深まったことに加えて、立岩文体に馴染んだことも大きい。 立岩真也の初の単著であり、理論の基礎となっていて、刊行から20年以上経ちながらも、今も有効なままなのがスゴイ。ここで徹底して考え抜いたからこそ、その後の仕事があるのだろう。(とはいえ、十全な理解には程遠く、何度もこの本に立ち返りながら、引き続き立岩真也を読んでいこうと改めて意気込む)2020/10/06

客野

1
関心があった第7・8章辺りを中心に読んだ。著者の細かい議論をなんとか追っていくと、如何に自分の考え方が雑かを痛感する。似ているものの異なる概念をべったりとくっつけて扱ってしまうこととその罪、ある概念をある社会状況に放り込むことで違う意味が浮き上がってくることなど、学ぶところは多かった。改めて全体を読み直したい。2017/10/15

てほら

1
この本は一回で意味をとらえられず、二回でさえ理解できず三回目でもなんとなくしかわからない、自分にとって最大のライバル(?)となった本だ。内容に興味が湧かないのも手伝って、読むのを後回しにして、ゼミがあるからどうしようもなくなって読むって感じだった。とりあえず苦手な本だと言っておきたい。2014/06/25

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