内容説明
長年、日本で暮らす大学教授のガイジン(米国人)が、日本、アメリカ、中国、韓国、台湾で見比べた、それぞれの“間”にあふれる“違い”のおもしろさ。人や町、脇道に酒場、電車、飛行機、バス、タクシー、身近すぎて気づかなかった“きらめく光景”に出会える、最新エッセイ集。
目次
1 北米(山も海もない土地;東海岸、西海岸、南部地方)
2 東アジア(戒厳令下の韓国;台北狂騒日記;上海ぷらぷら日記)
3 日本列島放浪記(島流し;東京周辺)
著者等紹介
モラスキー,マイク[モラスキー,マイク] [Molasky,Michael S.]
1956年米国セントルイス市生まれ。1976年に初来日し、のべ20年日本滞在。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学研究科博士課程修了(日本文学で博士号)。ミネソタ大学教授を経て、一橋大学社会学研究科教授。日本文化研究や音楽社会学の講義を担当。日本語の著書に『戦後日本のジャズ文化』(青土社、2005年、サントリー学芸賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホークス
44
2013年刊。米国出身の日本文化研究者による自伝的エッセイ。居酒屋の本が面白かったので。アメリカ東部、中西部、南部、西部それぞれの土地柄が分かりやすい。カリフォルニア州でもサンフランシスコとロサンゼルスが対照的な雰囲気だったり、ミネソタ州で隣接するツインシティ(ミネアポリスとセントポール)の違いなども興味深い。やはりアメリカは、どこへ行くにも距離と時間が長く、荒んだ場所は本当に怖い。広大で多面的な国だ。息子との南部の旅で改めて黒人差別に向き合う話では、著者の信念に唸らされた。少し素人っぽいけど盛りだくさん2021/04/29
osakanazuki44
2
北米、東アジア(韓国・台北・上海)、日本の一人旅エッセイ。最近、日本文化礼讃を強調し過ぎてるキライがある。著者は、そこそこ批判的、まずまず賛同。バランスが良い。2019/10/26
Yasutaka Nishimoto
2
自分の出自から、東アジア歴訪を経て、日本に定着するまで、非常に読みやすい、日本人より達者な文章で描く。好みの文章が心地よい。2017/07/05
暗頭明
2
本書を読んでいて頻りに思い出されるのは『やがて哀しき外国語』で、このことは『その言葉、異議あり!』の読書感と同じである(なので、本書は高すぎる)。どうして『やがて~』を連想してしまうのか。目下読み進めている『遠い崖』は、幕末維新期の日本を、イギリス人が本国に送った報告書を通して垣間見せるが、対象との距離が、参与観察のごとく、近く、その分熱く、とはいえその観察は「異邦人」のそれだ。モラスキーや村上春樹のエッセイにも立ち位置ゆえに生まれるこの熱さと覚醒が溢れており、その練り合わせ具合が私に合うのだろうか。2013/10/06
鈴木正大
1
アメリカ・ディープサウス、韓国、台湾、上海、沖縄、関西、東京、高尾山等々著者のブラブラ歩きの記憶を描いて楽しい。2016/09/07