途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法

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  • サイズ A5判/ページ数 441p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784864260053
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C0036

目次

曇りガラスが晴れるとき―“なぜ?”と聞くのは間違いの始まり
第1部 メタファシリテーションの成立(「なぜ?」と聞かない対人援助コミュニケーション手法;思い込み質問の迷路から「簡単な問い」へ;簡単な質問の先の壁;メタファシリテーションの成立)
第2部 メタファシリテーションを囲む「枠」(コンテクストが見えてきた;「コミュニティー」に至る道;マクロとミクロの間;国際協力のコンテクスト=近代化に伴う貧困現象の発生)
第3部 メタファシリテーションの実践(メタファシリテーションの技法解説;メタファシリテーションのプロジェクトへの応用)
結論に代えて

著者等紹介

和田信明[ワダノブアキ]
1950年東京生まれ。ストラスブール大学人文学部中退。高山市の飛騨国際工芸学園教員などを経て、1993年にソムニードの前身の「サンガムの会」を設立。南インドで多くのプロジェクトを現在まで手がける。2002年にネパールでも活動を開始、2007年からは森林保全プロジェクトを実施中。併せて、旧国際協力銀行の委託による森林共同管理関連の調査をインド全域で行ったり、国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクトの短期専門家としてインドネシアを頻繁に訪れ、コミュニティー・ファシリテーター育成研修を行ったりと、ODAプロジェクトにも密接に関わる

中田豊一[ナカタトヨカズ]
1956年愛媛県生まれ。東京大学文学部卒。アジア学院農場ボランティアなどを経て、1986‐89年、シャプラニール=市民による海外協力の会ダッカ駐在員としてバングラデシュで活動。1995年1月、兵庫県尼崎市で阪神淡路大震災に遭遇、直後より阪神大震災地元NGO救援連絡会議事務局長代行として救援活動に従事。同年5月から1998年3月まで(社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン事務局長。1998年、参加型開発研究所開設。以後、フリーランスの国際協力コンサルタントとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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香菜子(かなこ・Kanako)

32
途上国の人々との話し方-国際協力メタファシリテーションの手法。途上国の人々と話す際に、上から目線で尊大な態度や言動をしては決して信頼関係は築けない。対等でフェアな関係が必須。相手を見下さない、上から目線にならない、謙虚に。これは日常の人間関係にも応用できるはず。2018/09/03

きいち

28
すばらしい、組織コンサルティングや中小企業支援、キャリアカウンセリングといった活動を行う人なら、いやもっと、人を相手に仕事をしている全ての人に勧めたい。◇そして私には、宮本常一の仕事の現代的な意味がありありと立ち上がってくるとても刺激的な経験だった。道具を褒めて事実を確かめていくうち相手が自ら気づく。こういうことだったか。◇カウンセリングでは一般に、問いはオープンであれという。しかし達人の問いはクローズドな事実質問であることも多い。その理由が氷解した、オープンであるべきなのは問いではなく、答えだったのだ。2018/12/28

ちぃ

14
とても勉強になった。 「貧しいひとたち」という思い込みが作用すると質問も誘導的になってしまい「開発劇場」に陥る。 「昨日何食べた?」「最後に●したのはいつ?」など事実質問を重ねることで思い込みループから解放される。 ほんとのニーズに気付かせる、ほんとの参加型を実現するためには突き放すことも必要。 習得するのは簡単じゃなさそうだけど大事にしたい心がけ。大事に読み返そう!2019/06/16

KAYU

6
素人がおおよそ想像つくであろう国際協力のはらむ問題点や矛盾、国際協力を志す若者が現場でぶち当たるであろう困難や悩み、そのほとんどすべてが本書に網羅されている。つまり、これを読んでから現場に出るのと読まずに出るのとで大きく違うことであろうということ。事実質問による情報の蓄積、貧困という前提にとらわれない姿勢、セルフエスティームを意識した対話、そしてボトムアップを信じて待つこと。このほかには何もない。後は実践を重ねるのみ。2017/03/01

壱萬弐仟縁

6
名古屋NGOセンターが名駅近くの、古い建設会社のあったテナントに事務局のあった約10年前、ソムニードの著者である和田さんとは会議で何度か、お話を伺う機会があったことを思い出した。その和田さんが書かれている、開発の現場でフィールドワークの経験を時にシビアに、時に面白く書かれていて、和田さんの人柄がにじみ出た開発の実態がNGOの立場で詳述されている、好著である。その後、和田さんにはお目にかかっていないが、相手が簡単に答えられるような質問は問題を孕むこと(88ページ)、貧困概念のとらえ返しをしなければ、と痛感。2012/10/13

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