ナイン・ストーリーズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 314p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784863320505
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

35年ぶりの新訳による、最高の9つの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ガクガク

85
タイトル通りバラエティに富んだ9つのお話。全部が楽しめたわけではなく、理解できなかった話もあった。『ババナフィッシュ日和』は再度読み返したが、突然の自殺に至る経緯や理由が解らなかった。良いなと思ったのはのは、いずれも子どもたちが主役級を演じる『笑い男』『ディンギーで』『エズメにー愛と悲惨をこめて』。中でもとてもおしゃまな少女エズメと弟のチャールズの姉弟の話しぶりや可愛らしいしぐさが目に浮かんでくるようだった。ほのぼのした出逢いから一転、戦場で精神を病んだ主人公にエズメからの手紙が特効薬のように沁みていく。2014/09/14

みねね

46
2度目のナイン・ストーリーズ読了(前回は野崎訳)。新訳もあるが、前回2019年と今との解像度の差は歴然である。サリンジャーを支えるイノセンスへの憧れ、そしてZEN性はこの頃から存分に発揮されていることが再発見できた。禅は、戦争体験が与えた傷に寄り添ってくれたのだろうか。締めくくりの異色作、テディはさながらリトル・ハプワースだ。前回は「明確にオチを書かない」と感想を書いたが、これほどわかりやすいオチはないだろう。しかしテディはなぜ自分の結末をニコルソンに伝える気になったのか。読むほど解釈と謎が深まる。2024/02/08

速読おやじ

46
久々のサリンジャー体験は刺激的。謎解きみたいに読むのも楽しい。前回は野崎訳で読んだので、柴田訳は初めて。なんというか日本語に直した時に柔らかくなっている。野崎訳がどうだったかなんて全く覚えてないが、短編のタイトルの「バナナフィッシュにうってつけの日」が、柴田訳ではバナナフィッシュ日和となっていた。好みの問題だろうけどこれは野崎訳の方がいいかなあ。どの短編も面白かったが、笑い男とドーミエスミスの青の時代が印象に残った。バタンとドアを閉めるように突然ストーリーが終わるところが、いいなあ、サリンジャーは。2022/01/12

イプシロン

41
まず『Nine Stories』というタイトルからして考えなければならない。それがサリンジャー作品を読むということなのだろう。基督教において「9」は不完全の意である。したがって、本著は冒頭の『バナナフィッシュ日和』からはじまり『テディ』に終わる、不完全ながらも次第に完全に近づいてゆく人間の「知」のありかたを描いた短編集として、編集されていると考えざるを得ない。それは、冒頭献辞にある禅の公安からも推察できよう。個人的に気に入ったのは、中間部に挿入された『笑い男』だ。アメリカ建国の恥部である2022/01/19

detu

40
サリンジャー。正直、理解不能でした。体調不良、情緒不安定の時には読まない方がいいかも。独特の世界観で、まず情景が浮かばない。会話が噛み合っていない。これはひょっとしたら英語でなければサリンジャーの酒脱な文章は理解しずらいのかも知れぬ、と言ったら訳者に対して失礼だろうか。英文読めないから偉そうには言えないですが。決して詰まらなかった訳ではないです。なんか、尾を引く。 もう一度読み返してみたいです。『笑い男』など宮沢賢治を思い出してしまった(個人的イメージですが)2017/09/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/518040
  • ご注意事項