内容説明
茶の湯などの伝統文化に欠かせない存在である「家元」。このような家元のあり方は、いつの時代にはじまるのか。家元と天皇・皇族との間には、どのような歴史があったのか。本書は、近現代の茶の湯に焦点をあてて、家元が現代の姿に至る歴史的変遷を明らかにする。茶道家、茶の湯研究者、日本近代史家に必携。
目次
序章 茶の湯の歴史における家元の存在
第1章 家元と天皇との距離―献茶にみる家元の社会的地位の変遷
第2章 明治前期の喫茶文化の状況―「貴紳の茶の湯」と“中小流派”
第3章 創られる家元―流派が“家元”を要求する
第4章 第二次世界大戦後における茶の湯イメージの転換―裏千家千宗興の渡米が意味するもの
第5章 千宗旦の出自をめぐる「利休血脈論争」―貴種化する家元
終章 まとめと課題
著者等紹介
廣田吉崇[ヒロタヨシタカ]
昭和34年(1959)生まれ。昭和60年(1985)東京大学法学部卒。平成7年(1995)阪神・淡路大震災を機に茶の湯研究をはじめる。平成24年(2012)神戸大学大学院国際文化学研究科文化相関専攻博士課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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