内容説明
市場原理主義・競争第一主義などと非難されているリバタリアリズム。だが現代の政治・経済上の諸問題は、権力による市場への不当な「干渉」に原因がある。本書は、新オーストリア学派のミーゼス、ロスバード、ホッペらの業績を紹介しつつ、この学派の「国家論」や「貨幣論」の特長を鮮明にし、進んでマルクス、ポランニー、ケインズの三大「論敵」を批判した快著である。
目次
第1章 マルクス主義の人間行為学的解釈
第2章 銀行業、国家及び国際政治―ハンス=ヘルマン・ホッペの業績
第3章 新オーストリア学派の国家論
第4章 カール・ポランニー批判―マレー・N.ロスバードの業績
第5章 干渉主義批判
第6章 マレー・N・ロスバードの貨幣論
第7章 ケインズ『一般理論』の批判的考察―ハンス=ヘルマン・ホッペの業績
第8章 ケインズ著『一般理論』に対するハイエクの洞察
参考資料 アイン・ランドの資本主義観に関する覚書
著者等紹介
越後和典[エチゴカズノリ]
1927年滋賀県に生れる。1950年京都大学経済学部卒業。現在、滋賀大学名誉教授。経済学博士。日本経済政策学会名誉会員。産業学会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
12
貨幣論に多くのページが割かれているのが特徴。2014/10/11
Tatsuya Iwakura
1
新オーストリア学派の理論でマルクスもケインズもカール・ポランニもぶった斬る痛快な本。日本一過激な経済の本。
Votoms
0
再読した。新オーストリア学派の中でもミーゼス、ロスバード、ホッペの議論が重点的に紹介されている。前著『新オーストリア学派の思想と理論』では「制限された政府」寄りだった越後先生だが、本書では比較的無政府資本主義に支持を表明している(従って、ハイエクに対する評価は社民主義と同等であるという議論に同意している)。マルクス、ポランニー、ケインズといった学者の理論や経済思想を批判する形で新墺派の議論が解説されており、この学派を理解するには非常に優れた一冊だと思う。ちなみに、アイン・ランドに関しても解説されてある。2017/12/29