内容説明
真の仏教は「在家」(ウパーサカ)の道に在り、「明治の三蔵法師」河口慧海の仏教思想の精粋。秘境の仏教国チベットへの留学体験と、将来した貴重なチベット大蔵経に基づき、類い希なる真摯な求道姿勢で「真の仏教」を終生探究した仏教学者・河口慧海。、慧海は老境に至って宗門の僧籍を離脱し、旧来の宗派教団に依らない「在家仏教」を提唱した。全仏教界に一石を投じ、新しい仏教の在り方を提唱した快著。
目次
第1部 序論(仏教とは何であるか;四分五裂して自宗を最尊とする原因;印度における学派宗派の分裂 ほか)
第2部 仏宝(本尊としての仏陀;諸種本尊成立の弁護論とその批判;阿弥陀仏は本尊とならない ほか)
第3部 法宝(法の定義及びその区分;法の第一義;六凡の義 ほか)
第4部 僧宝(僧の語義;魔僧が虚偽生活の害毒;戒律上にも比丘僧なき実証 ほか)
第5部 ウパーサカ仏教(理想的本尊の欠陥;ウパーサカ仏教の本尊;ウパーサカ仏教伝燈の縁由 ほか)