自己愛(わがまま)化する仕事―メランコからナルシスへ

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863191150
  • NDC分類 366.94
  • Cコード C0036

内容説明

日本の職場の病理は、過労死やうつ病から自己愛的なパワハラや軽症うつ病へと形を変えてきている。いまや、まじめで責任感の強いタイプよりも自己中心的で他者の視線に敏感な人々が、職場の主流を占めるようになった。かつての日本的経営は、他人を思いやる利他的行動に支えられていたが、現代の自己愛は利己的・他罰的な傾向を強め、職場の雰囲気そのものが変化しつつある。この傾向が、能力主義から成果主義への移行の深層にあった。

目次

第1章 過労死、うつ病そして自己愛へ
第2章 日本社会を支えた“メランコ仕事倫理”
第3章 “メランコ仕事倫理”は衰退するか
第4章 派遣社員過労自殺事件
第5章 能力主義の「現実」と成果主義の「理想」
第6章 労働現場の人間関係―うつ病と自己愛
第7章 ニートもヒルズも紙一重
終章 現代の“ナルシス仕事倫理”と市場原理主義

著者等紹介

大野正和[オオノマサカズ]
1959年、兵庫県宝塚市生まれ。大阪市立大学大学院経営学研究科博士課程修了、経営学博士。専攻は、日本的経営論、臨床産業心理学。近畿大学、大阪経済法科大学、仁愛大学などで教授するかたわら、社会福祉団体でアドバイザーの任にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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こういちろう

1
どんな精神科医にも、どんな臨床心理士にも書き得なかった、驚くべき「越境領域性」を秘めた、稀に見る名著。内海建「うつ病新時代」と並び、私がこの1年間に読んだ類書の中でダントツに評価したい傑作である。これは単なる「過労死」についての本でもうつや自殺や職場のメンタルヘルスについての本でもない!! 安易に要約してご紹介できる水準を凌駕している。きっと、次回作では更に進化した内容をお書きになることは間違いないかと思います。2010/06/04

Fugusuke

0
日本人らしい仕事の仕方、あり方、そして日本の社会的背景ががうつ病と関連しているのではないか?という疑問を投げかけてくれた一冊。うつ病のラインが曖昧になったんではない、社会的背景が生み出したんだ、っていう感じ。確かに…と思えるが、だからこれからどうしたらいいの?っていう不安も与えてくれる。2011/09/10

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