内容説明
文壇の寵児ともてはやされる若きベストセラー作家の浅沼は、出版社から請われて新人文学賞の選考委員となった。だが、『壁の目』と題された応募作を読んだ彼は、凄まじい衝撃を受けた。そこには浅沼が隠し通し、忘れ去ったはずの七年前の女子大生殺しが克明に描かれていたのだ。密室で行われた、誰も知らないはずの犯行が、壁の穴を通して隣室から目撃されていた事実に浅沼は戦慄し、現在の地位を失う恐怖に怯えた。そして、新宿署の牛尾刑事らも別の事件を通して『壁の目』の殺人へ辿りついたが…。傑作長編推理。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒。ホテル勤務の後、『高層の死角』で江戸川乱歩賞を受賞、73年には『腐触の構造』で日本推理作家協会賞を受賞。2004年にはその功績を称えられ日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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