内容説明
「このコーヒーで、アフリカの貧しい人を救えます」「このアクセサリーで、恵まれない子どもたちが学校に通えます」…信じてもいいのだろうか?世界一周の旅で出会った、誰も知らない驚きの真実。
目次
1 死ぬほど獲りたい―ニカラグア・ミスキートコースト
2 エコに熱心―イギリス・倫理的な市場
3 陶器ショップに迷い込んだ暴れ牛―中国・珠江デルタ
4 ゴム印を押されて―ラオス・ルアンナムター
5 虚報の鉱山―コンゴ・南キヴ
6 おかしなケシ―アフガニスタン・ルバートサンギ
7 DIY 自分でやる―タンザニア・キリマンジャロ
8 綿と折り合う―コートジボワール・北部の反逆者
著者等紹介
ウッドマン,コナー[ウッドマン,コナー] [Woodman,Conor]
英国TVキャスター、ジャーナリスト。ナショナルジオグラフィックの番組「Scam City」のホストを務め、世界中で取材を行う。『フェアトレードのおかしな真実―僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』において、英国で最も優秀な政治に関わる文書に贈られるオーウェル賞を受賞
松本裕[マツモトユウ]
米国オレゴン州立大学農学部卒。小学校時代の4年間を東アフリカのケニアで、大学卒業後の2年間を青年海外協力隊として西アフリカのセネガルで過ごす。帰国後より実務翻訳に携わり、その後2009年に初の訳書『アフリカ動き出す9億人市場』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mijas
45
世界の農家、鉱山作業員、潜水員の暮らしの一部が紹介されている。消費者は、彼らの暮らしを良くしたいと願い、フェアトレード商品=「倫理的商品」を購入するが、消費者の選択は実際に生産者のためになっているのだろうかという問い。フェアトレード財団が例としてあげられていたが、認証ラベル制度に問題があるという。ラオスの森林破壊他、知られざる現状がある。認証ラベルがあるからというだけで安易に購入せず、知識を持つこと。生産者の顔が見えるようなフェアトレードのシステムを作ること。草の根レベルの取り組みの重要性が挙げらている。2017/07/18
ヒデミン@もも
37
ゼミ試験。なんとなくそうだろなぁと想像できる内容。なんでも疑ってみるのはよくない癖だとおもう。フェアトレード商品、この頃よく見かけるが、ホントに還元しているのか?ココスのドリンクバーにも書いてあったけど。。。 フェアトレードとは、全く関係ないけど、タイでぼったくられていると感じても、値切らず直接還元してきた。2018/02/27
mazda
32
ちょっと読むのに苦労しました…。道半ばで断念しましたが、やはり作物を採っている現場と、それを購入している大企業の間には大きな認識の違いがあるようです。ロブスターを素潜りで一日20回も取りに行くと、体に支障をきたすそうですが、企業としてはそういったことをやらせていない、という回答になるんですね…。我々が支払った代金が、きちんと生産者に届くための仕組み作りが重要なのかも知れません。2016/06/02
黒頭巾ちゃん
30
“倫理”すら、売るために使われます。フェアトレードのロゴを貰うと、その製品はよく売れるようになります。そのロゴを売る財団にも収益が入ります。ただ、生産者にはほとんど収入が入らない実態、“もしものために”と称して、“最低賃金”を決めることで、適正価格よりも低く交渉することになったり、“生産者の権利”として、価格制限を設けないことで買い叩く現象も起きます。命がけでロブスターを取る人はロブスターを食べられない事や自殺者を年に16人も出す、中国のIT企業などあります。我々の生活は、多くの犠牲の上に成り立っています2013/12/18
Mina
28
スーパーでフェアトレードのコーヒーが並んでいれば購入していましたが、実際それで生産者が潤っているわけではないとは…。財団のブランド宣伝費等に充てられるそう。ニカラグアでは、潜水病に冒されながらもロブスター漁をし、自分達はロブスターを口にすることはないという。そんな過酷な労働を低賃金でする人々の実状でした。そして、消費者も企業任せにし、商品を買って正しい事をした気になる…これはドキッとしました。物を買うにも考えなければいけない世の中なんですね…。自分にはハードルが高い内容でしたが、勉強になりました。2014/08/11