内容説明
「僕らは世界を見るために旅に出た」1953年、ニコラ・ブーヴィエはポンコツのフィアットに乗ってジュネーブを発つ。旅の手持ちは2年という月日と4か月分の現金。ベオグラードで親友の画家、ティエリと落ち合い、ロマの旋律に導かれるように東へ東へとつき進む。旧ユーゴスラビア、トルコ、イラン、アフガニスタン…世界から世界へ、道はどこまで続いていくのか。「世界は水のように身体のうちをすり抜け、わずかな時間だけ、その色を貸してくれる」みずみずしい旅の記憶は色褪せることなく、いまもなお旅人に熱く語りかける。約半世紀にわたって「旅のバイブル」と称される幻の旅行記。
目次
メロンの香り
アナトリアへの道
ライオンと太陽
タブリーズ―アゼルバイジャン州
ターバンと柳
タブリーズ2
シャーラー
サキ・バーの周辺で
アフガニスタン
カブール
ヒンドゥークシュ山脈
異教徒の城
カイバル街道
著者等紹介
ブーヴィエ,ニコラ[ブーヴィエ,ニコラ][Bouvier,Nicolas]
1929年、スイス・ジュネーブ生まれ。旅行家、作家、写真家、図像調査士。幼い頃から読書をとおして世界へ焦がれ、1953年6月、24歳のときに画家ティエリ・ヴェルネとともに旅に出る。旧ユーゴスラビアからトルコ、イラン、パキスタン…約1年半におよぶこの旅の記録は、処女作『世界の使い方(L’usage du monde)』として1963年に自費出版され、後年ヨーロッパ圏ではカリスマ的人気を博し、いまもなお多くの旅人に影響を与えている。1998年2月17日没
ヴェルネ,ティエリ[ヴェルネ,ティエリ][Vernet,Thierry]
1927年、スイス・ジュネーブ生まれ。画家、イラストレーター、舞台デザイナー。インテリアデザイナーと画家のもとで修行をつづけ、1953年、ブーヴィエよりひと足先にベオグラードへ旅立つ。旅のあいだに描かれた数々の絵は、旅や現地の様子を知る貴重な資料となっている。カブールでブーヴィエと別れ、恋人に会うためにセイロン島へ渡り、1955年3月16日にフロー(Floristella)と結婚。帰国後、しばらくジュネーブで活動したのち、パリへ拠点を移し、コメディジュネーブをはじめ多くの舞台デザインを手がけながら、創作活動を続ける。1993年10月1日没
山田浩之[ヤマダヒロユキ]
1966年、兵庫県生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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