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なぜいま人類史か―渡辺京二傑作選〈3〉

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  • サイズ 新書判/ページ数 299p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862487704
  • NDC分類 204
  • Cコード C0220

内容説明

われわれはどこに行くのか?世界はいかに獲得されるのか?現代資本制システムによって断ち切られ、漂流する“個”の孤絶を真正面から見据えつつ共同社会をイメージする。人類史的な課題を射程にいれた著者存念のアルファからオメガまでがこの一冊に込められた。

目次

1 なぜいま人類史か(天地生存と社会生存;共同性と戦後社会 ほか)
2 共同体論の課題(共同体志向;マルクスの共同体理論 ほか)
3 外国人が見た幕末維新(五冊の日本見聞記;ヨーロッパの眼がとらえたアジア ほか)
4 明治維新をめぐる考察(講座派と労農派;「維新」解釈の対立点 ほか)

著者等紹介

渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年京都生まれ。大連一中、旧制第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所特別研究員。主な著書に『北一輝』(朝日新聞社1985、毎日出版文化賞受賞・ちくま学芸文庫2007)、『逝きし世の面影』(葦書房1998和辻哲郎文化賞受賞・平凡社ライブラリー2005)、『黒船前夜』(洋泉社2010、大佛次郎賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

5
講演集ということで、作者の史観等が書いた文章よりストレートに表現されていてわかりやすい。特に「外国人の見た幕末維新」は『逝きし世の面影』の前段階として極めて興味深かった。それぞれのテーマの掘り下げ方とか。表題作は思想関係に疎いこともあり講演としてはややこしかったが、著者の思想が一番ストレートに出ているように思った。2011/09/10

さんとのれ

3
頭でっかちになる前に、自分の考えはどこに立脚しているのか、その前提は希望的観測という思い込みではないのか、考え直してみる。大家の思想を組み合わせて並べてみせるのはかっこいいかもしれないけど、自分を疑いながら稚拙ながらも自分なりの結論に達するほうが満足感がある。そんな、当たり前だけど本ばかり読んでいると忘れてしまいそうになることに改めて思い至った。週刊誌の見出しのようなタイトルでちょっと敬遠してたけど、もっと早く読めばよかった。2015/01/26

マウンテンゴリラ

3
著者の主張の核心ではないかもしれないが、本書の素晴らしさは、歴史を近視眼的に観る、あるいは事後に確立された理論に引き付けて過去の歴史を解釈することの愚かさを説いている点にあると感じられた。その様な視点から離れ、人類史的なスケールをもって歴史を眺め直すことによって、人間が目指すべき共同体のあり方を探ろうとする壮大な意図を感じた。国民国家、資本主義を柱とする近代へのアンチテーゼとして現れたかに見えた共産主義も幻想であったことが証明された今、虚無主義、価値相対主義を脱却する別の道を暗示しているようにも感じた。2014/12/01

ももたろう

3
人類史に関して、深い歴史的な視点を踏まえて洞察した凄い本。むっちゃくちゃ面白い。現代という時代の問題点、そしてその問題点がなぜ生じたのか。このことがよくわかる。どの章も素晴らしい。例えば一章。自然の一部である人間が実在の解明をし、「宇宙は人の内部でみずからに気づくに至る」状態になった。ここまではいいが、問題なのは人間を中心として世界を認識するようになったことだ。人間は自然の一部である。このような認識の大切さを改めて痛感した。2013/09/23

kanaoka 56

1
80年代初頭の講演集。当時のマルクス主義論争を背景にしており、現在の潮流からは読み難い面があるのは否めない。しかしながら内容的に違和感はなく、学ぶべき事が多い。特に明治維新を巡る考察において、その指摘は鋭く秀逸。維新において世界普遍性としての欧米との出会いで、日本は強姦された。いずれ女にならなければならない運命だったものの。それにより彼女の青春は狂い、それが明治・大正・昭和の近代の狂奏曲であったと言う。大東亜戦争の敗戦で彼女はやっと少しは囲りの事が分かる大人の女になったと言う。2015/07/12

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