感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
19
39戦国時代の軍の招集から進軍・渡河・補給・刈田などの裏方の話がメインでなかなかシブい内容でした。渡河が如何に大変でかつ重要であるかがわかります。渡り易い浅瀬の捜索と確保や船橋の設置そしてこれらの妨害策が戦闘を左右するぐらい重要な事でそもそも部隊の進軍出来なければ敗北に繋がってしまう。刈田も収穫し自分達のものにするかその場で廃棄したり畑を掘り返し収穫不能にするなど様々な方法があり状況に合わせて使い分けていた。収穫や川の水量などにより合戦の時期を決める大きな要素だった。2022/05/15
maito/まいと
19
知ってそうで知らないことが多い合戦。二次史料は用いつつも、一次史料を重視した戦国時代の舞台裏を研究した新書。戦国時代のかなり広範囲にわたり、しかも地域が関東周辺が多いのは、史料が豊富なのだろうか。史料ありきで舞台がドンドン変わっていくので、歴史好き玄人向けの一冊。読んでいくと、食料(兵糧)事情は今も昔も重要だったことが覗える。戦いの前後における領主の工夫は遠回りのようで、最終的には豊かさになって還ってきているのだなあ。ここでも信長や信玄の偉大さを感じる。2017/07/13
さとまる
4
戦国時代の合戦と言えば戦闘シーンだけが注目されがちだが、その前後どのように兵員を集めどのように移動してどのように補給をしてどのように退却するかといったことを具体例を挙げて紹介している。特に移動については疑問に思っていた部分なので腑に落ちた。参考文献から目についた本へと読み進めてみよう。2021/07/12
しいかあ
4
ちょっと珍しい戦国時代の兵站や連絡方法まで含めた戦争の様子を解説してくれる本。「補給戦」と一緒に読むと色々見えてくるものがあってさらに楽しいのでオススメ。意外に自分の家の近所の話が多くて嬉しかった。ただ、武将クラスの手紙などが史料の中心になっているせいもあって、実際に戦闘に参加した兵の様子がぼんやりとしか見えてこないのが難点といえば難点。兵士の個人的な記録とかは残ってないのかな。社会史は好物なので、こういう本はもっと増えて欲しい。2012/04/17
玉野ゆうき
3
渡河の大変さを再認識。映画「天と地と」で船橋架けたり焼くシーンがあったなぁと思い出す。河川の増水で援軍を送れない事態は多々あったんでしょうね。 苅田や麦苗薙ぎをしていた事を知り合戦に至らない軍事行動にも大きな意味が在ったんだと知りました。 他に陣取、糞尿処理、落ち武者狩り等、学ぶことが多かったです。2016/03/05