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村人の城・戦国大名の城―北条氏照の領国支配と城郭

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862485458
  • NDC分類 213.6
  • Cコード C0221

内容説明

城郭は、食糧備蓄や民衆の緊急避難の場だった!村人と戦国大名の知られざる世界。

目次

1 北条氏の領国支配と氏照の「地域国家」支配
2 聖なる城・氏照の拠点滝山城
3 境目の番城・「滝の城」と郷村支配
4 年貢米の保管場所・沢山城と江ノ島
5 甲武国境を守る桧原村の武装集団
6 甲武国境の逃亡者の「たまり場」―小河内村・小菅村
7 境目の城・津久井城と三増峠合戦
8 氏照はなぜ八王子城へ移転したのか?
9 城と避難場所、そして、疫病への恐怖
10 地域国家建設の夢破れる

著者等紹介

中田正光[ナカダマサミツ]
1946年三重県生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業。城郭研究家。40年以上にわたり全国の中世城郭址を実地調査し高い評価を得ている。特に、武田氏、北条氏の城郭研究で知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

33
2010年刊。現八王子市の滝山に居城した北条氏照は、小田原本家の右腕として武田や上杉と戦った。著者は滝山城はじめ、氏照ゆかりの横浜市、檜原村、小菅村などの城跡と古文書を調査。城の構造と機能、税や軍役の実態、大名〜武将〜小領主及び土豪(半農民)〜自作農〜隷属民という社会構成を語る。戦争するのは大名だけでなく、誰もが自分の都合次第で武器をとり、掠奪もした。階級だって固定的ではなく、大名は用心して土豪や農民に接した。著者が「自力救済」と呼ぶこの世界は確かに野蛮で悲惨だが、一方で獣としての自然な姿も感じられる。2023/03/12

スー

18
46北条氏照と滝山城に焦点を当てて北条家と農民た城の関係を読み解く興味深い本でした。北条家は水運を利用していたので田舎城と思っていた江戸城が実は重要な城で青梅等の貴重な資源である材木を流して各地に送り収入を得ていたり海の幸を内陸部に送る重要な拠点として城が機能していた。境界の山城は敵の侵攻時には領民の避難場所になっていたが籠城が長期化すると疫病が蔓延した為に糞尿の処理に力を入れていた、スペインの商人が有馬城を訪れた際に清潔なのに驚いたそうで今の日本人のきれい好きなのはここからきてるのかも。2022/05/31

takeapple

13
戦国期の山城は、戦の時に百姓たちの避難の場所だった。戦国大名の城に逃げ込む場合と、地下人と言われた百姓の持つ城があったということだ。藤木久志先生の説を、北条氏の滝山城や八王子城の例を取りながら実証して行く。地域に根ざして、現地調査に長けた中田氏だから書けた本だと思う。面白かった。この本を参考に私の住む地域の城も見直してみよう。2021/07/15

さとまる

4
滝山城・八王子城をメインに城郭と領民の関係性について。境目の城の重要性や避難場所としての城、衛生問題などなど。領民は戦乱の中で単純な被害者ではなく、敵に寝返ったり逃散したりとしたたかであったと。2021/10/14

ほたぴょん

3
北条氏照が居城とした滝山城、八王子城にフォーカスして、中世の城のあり方を解説した一冊。北条氏照って如意成就の人だっけ、というのは自分が以前に戦国大戦を遊んでたからですが、まあ、笛の名手であったとも伝えられるその人です。中世の城と豊臣政権、江戸期以降の城では全く違う、というのはよく言われますが、確かに本書を見てると、城というよりも砦という感じで、また建造物単体ではなく周囲の地形までひっくるめて城、というのがよくわかります。中世、領民とはリソースであった、というのも、なるほどなあと。2015/11/03

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