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黒船前夜―ロシア・アイヌ・日本の三国志

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  • サイズ A5判/ページ数 353p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784862485069
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0021

内容説明

ロシア・アイヌ・日本の三者の関係をとおして、北方におけるセカンド・コンタクトの開始を世界史的視点で捉える。―異文化との接触で生じる食い違いなどエピソードに満ちたこれこそ人間の歴史!渡辺史学の達成点を示す待望の書、遂に刊行。

目次

第1章 はんべんごろうの警告
第2章 シベリアの謝肉祭
第3章 日本を尋ねて
第4章 蝦夷大王の虚実
第5章 アイヌの天地
第6章 アイヌ叛き露使来る
第7章 幕府蝦夷地を直轄す
第8章 レザーノフの長崎来航
第9章 レザーノフの報復
第10章 ゴローヴニンの幽囚

著者等紹介

渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年京都生まれ。大連一中、旧制第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。日本近代史家。河合文化教育研究所特別研究員。熊本市在住。主な著書に『北一輝』(ちくま学芸文庫、毎日出版文化賞受賞)、『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー、和辻哲郎文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

86
当時の日本の北方に広がる荒野の姿が目の前に浮かんで来る。副題が全てを物語っている。17Cから19Cにかけ、この地で繰り広げられたロシア・アイヌ・日本の出会いと交渉を巡る「三国志」。毛皮を求めて東進を続けるロシア。国を閉ざし泰平の世をむさぼる日本。両者に挟み撃ちにされることになるアイヌ。蝦夷地は松前藩に任せ、幕府は同地を日本の版図に加えようとの意図はなかった。松前藩も交易の上がりを掠めることを専らにし、アイヌ統治、教化の意思はなかった。清朝康熙帝により南下を規制された(ネルチンスク条約)ロシアは沿海州・⇒ 2022/10/24

matfalcon

38
『北さ支考』や、『おろしや国酔夢譚』などのような史実を交えた推考。不凍港を求めて南下するロシアと日本の関わりが意外に古いことに驚く。2018/04/26

松本直哉

29
領域国家イデオロギーに染まってこの島を幕府が直轄地とする以前に、ロシアと日本とのはざまにあってファジーな緩衝材のような役割を果たしたのが北海道であった。国境の観念はいまだ不明瞭で、鎖国の国是にもかかわらず意外にも幾分かの往来があり、そこでロシアと日本の最初の対話はアイヌ語の通訳を介してだったし、街中でアイヌと和人がなんの疎隔もなくなごやかに立ち話をする場面を読めば、和人の抑圧に苦しむアイヌというステレオタイプなイメージが覆されてゆく。名著『逝きし世の面影』の続編は、前著同様歴史小説以上に面白い歴史書。2021/10/06

まると

21
北米大陸の「発見」から300年を経た18世紀後半に至っても、千島・サハリン近辺は世界史の空白地帯であり続けていた。近代の幕開け前夜、アイヌ居住地を緩衝地帯として、交易の機会を探るため漂着民を伴って接触を試みるロシアと、鎖国政策の続く日本との邂逅の小史がつづられていくーー。渡辺京二さんの著作が抜群に面白いのは、異文化の接触を人同士ものとして捉えようとエピソードを豊富に取り込んでいるから。そしてステレオタイプ化された歴史観を見事に覆してくれるからでしょう。前著「逝きし世の面影」に劣らぬ面白さで一気読みでした。2022/09/29

斑入り山吹

7
図書館で目があった。いやあ、面白かった!副題の「ロシア・アイヌ・日本の三国志」というのが体を表している。歴史はからっきしなので、わたしの感想は的外れなのかもしれないが。著者の、極論を避け双方の立場で考える姿勢が、読んでいて安心できる。出てくる登場人物の属する世界、立場、考え方、諸々を勘案し、なぜそのような行動に出たのかを納得させてくれるのだ。日本人、アイヌ人、ロシア人、それぞれの国民性(?)の違いが面白かった。一辺倒でないアイヌに対する認識が、たいそう興味深かった。ナショナリズムというのは厄介なものだな。2011/06/16

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