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「日本」をめぐって―網野善彦対談集

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862482808
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0221

内容説明

「網野史学」が与えたインパクトの大きさを再認識する珠玉の対話集!本書で網野善彦は、日本史学の領域を超えた6人との対話を通して「日本とは何か」というテーマについて発言している。戦後歴史学がとらわれてきた、はじめから日本を一つの国と考える「一国史観」や、「生産重視・農業主義」に基づく「進歩史観」を鋭く批判する。そして、海外交流・交易からみた日本像、21世紀の新しい歴史像とはどのようなものなのかという壮大なテーマで、新しい国家観、歴史観を探っていく。

目次

海の交通、布の交通―江戸時代の「海」・「村」・「農」をめぐって(田中優子)
「日本」から世界に光をあてる(樺山紘一)
「日本」の虚像を壊す(成田龍一)
「歴史の常識」を問い直す―壮年期を迎えた日本はどこへ行く(三浦雅士)
二十一世紀の新しい歴史像のために(姜尚中)
人類史的転換期における歴史学と日本(小熊英二)

著者等紹介

網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年山梨県生まれ。専攻=日本中世史・日本海民史。都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を歴任。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おさむ

38
日本の中世史に大きなインパクトを与えた網野史観。その一端が垣間見える対談集。改めて思うのは歴史と政治、イデオロギーは切っても切り離せないこと。戦後の歴史学はマルクス主義に基づく進歩史観のくびきから長らく逃れられなかった。網野史観は民衆史に着目して民の多様性や国境や国家にとらわれない視座を打ち出す。しかし、それが結果として天皇史観の支持とうけとられてり、鬼子である新自由主義史観を生んでしまった。特筆すべきは真っ向から網野氏に論戦を挑む小熊英二さんのインタビュー。読むだけで火花が見えてくるような対談でした。2020/07/18

カネコ

3
2012/10/02

紙魚

1
小熊さんとの対談に興味をひかれて購入。しかしながら他の対談相手も怱々たるもの。国民国家論、日本論の根幹たるものが自明ではなく、そもそも私とは何者かとすら思えてくる。日本国のオルタナティブの提示にとどまらず、止揚を目指すことが肝要だ。2009/02/17

とび五郎

0
小熊氏との対談部分が質量ともに充実している。他、三浦氏、姜氏との対談も興味深く読めた。小熊氏の掘り出し方というか聞き方が秀逸なのだろうか、対する網野先生の答え方が巧妙なのだろうか。小熊氏は対談前に網野先生の仕事内容を相当読み返したのだろうということが伝わる。網野先生の日本の歴史に対する考え方、取り組み方は当然ながら、(小熊氏との対談から特に)インタビュアーとしての在り方というか、何かを批判するときの学問的な姿勢の在り方についても学べたことは思わぬ収穫だった。2015/08/20

Omata Junichi

0
『神奈川大学評論』でも読んだし、小熊英二『対話の回路』(新曜社)でも読んだけど、小熊英二との対談「人類史的転換期における歴史学と日本」は何度読んでも刺激的で、何度読んでも発見がある。網野さんの歴史観をコロニアル的な視点から批判するところなど、仕事上、自分も意識していかなければならないことだと教えられる。小熊さんは、こういう仕事はほんとうに素晴らしい。でも『社会を変えるには』(講談社現代新書)は・・・。2013/04/21

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