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「炭素会計」入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 198p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862482600
  • NDC分類 519
  • Cコード C0233

内容説明

二一世紀の環境危機は、これまでの公害や環境問題とわけが違う。公害は、有害物質が排出され被害が生じる問題だから、有害物質を出さないようにすれば解決できた。だが、地球環境の危機は、地球が暖まるという問題だ。エネルギーを消費する限り、熱が発生し、炭酸ガスなど温室効果ガスのせいで、大気圏に蓄積していく。これを防ぐ唯一の方法は、炭酸ガスの排出を大幅にカット以外にはない。不平等条約である「京都議定書」の失敗を繰り言のように並べるのではなく、省エネ大国・日本だからこそできる「炭素税」「炭素会計」「炭素隔離技術」のプランを大胆に提言し、日本発の国際標準こそ日本のビジネスチャンスを広げる道であることを明らかにする。

目次

第1章 ポスト京都議定書の戦略を構築せよ(ポスト京都議定書に各国がいっせいに動き出した;洞爺湖サミットは環境危機が最大テーマ ほか)
第2章 グリーン・ジャパンに舵を切れ(新しい時代の幕開け;求められる合意形成とは ほか)
第3章 「炭素会計」が、温暖化対策の切り札だ(わずか数十年分しか大気中の炭酸ガスをふやすことができない;炭酸ガスの総重量を人類は管理できるか ほか)
第4章 温暖化の国際戦略はこれだ(温暖化の国家戦略なき日本;技術競争力こそ唯一の活路 ほか)
第5章 「低炭素文明」建設には日中の協力が必要だ―胡鞍鋼VS.橋爪大三郎(食品の安全性をどう高めるか;世界でもっとも果敢な削減計画 ほか)

著者等紹介

橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hikko

1
低炭素社会を迎えるに社会がどう変化していくべきかがつかめる入門書。若干理想論に聞こえる部分もあるが。低炭素化は間違いなく21世紀の重要なキーワード。門外漢であれ、ある程度のことは知る義務があると感じさせてくれた本。2010/09/01

Naota_t

0
抑々、「炭素税」に関して、まずその炭酸ガスの排出量をどう計測するんだろう。全く現実性がないし、税務署もそんなもん監査できないでしょ。 著者は、その炭素税を減らすため、炭酸ガスを出さないようになるし、地球温暖化阻止に超いいじゃん!とか言ってるけれど、税金っていうのは「広く」「公平に」課すもので、全然その理にかなっていない。 税金はいやいや払うものではないし、元々節税させる目的で税金を課すというのも意味不明、何が「切り札」で「ビジネスチャンス」やねん。 2012/06/15

p31xxx

0
京都議定書の発効で行われる排出量取引を切り口に、「炭素会計」というシステムを用いて低炭素社会を実現しよう、という今後日本の取るべき政策を紹介する書である。初版は2008年、後発する日本の環境政策を占う一般向けの啓蒙的な本で、知名度の低いこの名称で売りだしたのが惜しいと思う。それと、炭素会計の経済モデルを補完するべき社会認識への言及について、部分的に論理の飛躍を感じた。2011/08/25

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