内容説明
二一世紀の環境危機は、これまでの公害や環境問題とわけが違う。公害は、有害物質が排出され被害が生じる問題だから、有害物質を出さないようにすれば解決できた。だが、地球環境の危機は、地球が暖まるという問題だ。エネルギーを消費する限り、熱が発生し、炭酸ガスなど温室効果ガスのせいで、大気圏に蓄積していく。これを防ぐ唯一の方法は、炭酸ガスの排出を大幅にカット以外にはない。不平等条約である「京都議定書」の失敗を繰り言のように並べるのではなく、省エネ大国・日本だからこそできる「炭素税」「炭素会計」「炭素隔離技術」のプランを大胆に提言し、日本発の国際標準こそ日本のビジネスチャンスを広げる道であることを明らかにする。
目次
第1章 ポスト京都議定書の戦略を構築せよ(ポスト京都議定書に各国がいっせいに動き出した;洞爺湖サミットは環境危機が最大テーマ ほか)
第2章 グリーン・ジャパンに舵を切れ(新しい時代の幕開け;求められる合意形成とは ほか)
第3章 「炭素会計」が、温暖化対策の切り札だ(わずか数十年分しか大気中の炭酸ガスをふやすことができない;炭酸ガスの総重量を人類は管理できるか ほか)
第4章 温暖化の国際戦略はこれだ(温暖化の国家戦略なき日本;技術競争力こそ唯一の活路 ほか)
第5章 「低炭素文明」建設には日中の協力が必要だ―胡鞍鋼VS.橋爪大三郎(食品の安全性をどう高めるか;世界でもっとも果敢な削減計画 ほか)
著者等紹介
橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hikko
Naota_t
p31xxx