MC新書
神風連とその時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 293p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862480361
  • NDC分類 210.624
  • Cコード C0295

内容説明

神風連の乱は、当時ですら理解されず戦後は無視され続けてきた。単なる反動派士族の一反乱に過ぎない、と。だが、その行動は“うけひ”によって決定したように他の反乱に比して際立った異相にある。軍事的成算をはじめから度外視した彼らは、熊本における一政治党派というより、一種宗教的セクトに近い。この「反時代的反乱」の精神史的意味を、その時代とその師林櫻園の思想を通して解き明かす。嫌悪や顕彰を超えて、彼らの特異な現実批判の方法を私たちの思想的伝統に組み込むことを追求した名著がいま甦る。

目次

第1部(神風連伝説;蜂起のあと;神風連百年)
第2部 神風連とその時代(見神者;肥後勤皇党;熊本敬神党;反乱;予兆)

著者等紹介

渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年京都生まれ。大連一中、第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。日本近代史家。熊本市在住。主な著書に『北一輝』(朝日選書、毎日出版文化賞受賞)、『逝きし世の面影』(平凡社同時代ライブラリー、和辻哲郎文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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夜間飛行

124
下層武士から成る神風連は、林櫻園の神秘思想を奉じる迂愚な集団と見られ、武士の中でも疎外されていたらしい。首領の太田黒伴雄は政治より神事を重んじ、自分たちの風儀を傷つける廃刀令に抗して蜂起したそうだ。夫や兄を信じて送り出した女たちもこの闘争を陰で支えた。これは武士一般の反乱とは性質が異なる。著者はその戦いを宇気比…つまり熱誠を込めた祈りだという。土俗と一体になって自らの神を守り、西洋化への危機感を突きつけた神風連を天皇制イデオロギーと同一視はできない。異端を貫いた彼らの真実をもう一度正しく見直す必要がある。2020/04/22

きさらぎ

3
読んでいると何となく太田黒さんが愛しくなる本(笑)一応資料を駆使した「歴史書」に分類されるしきちんと考証もしてあるんだけど、どちらかというと歴史を読んでいると言うより思想というかイデオローグというかそういったものを読んでいるような、ねっとりずっしりした重さがあって結構精神的体力を使う。「宇気比の戦い」が「宇気比で嘉された戦い」ではなく「戦いそのものが宇気比であった」というのはなるほどと思うし、彼らの生き様や死に様には「非常に共感できる」とは言わないまでも一種の感慨を覚える。2014/05/16

tkm66

0
これも『暗洞』っぽい。九州の古本屋には割とありますね、アレ。石牟礼なんかも書いたりしている。2006/08/18

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