内容説明
歴史の進歩と、科学への信頼と、民主主義の全能への夢が、リアリティを持った時代―いまの時代で失われてしまった“昭和的なるもの”への痛切なオマージュ。反時代的心象に彩られた、極上のエッセイ集。
目次
第1章 昭和のエートス(私的昭和人論;貧乏で何か問題でも?;喧嘩の効用;団塊の世代からの発言;負け方を習得する;北京オリンピックが失うもの;反時代的考察―森銑三『明治人物閑話』解説;白川先生から学んだニ、三のことがら;日本人の社会と心理を知るための古典二〇冊)
第2章 国を憂うということ(改憲派に訊きたい二つのこと;憲法を改正しないことがもたらす利益;悲しみと恥の予感の中で;なぜ私たちは労働するのか;善意の格差論のもたらす害について;市場原理から教育を守るために;父の子育て;学校なんて放っておけ;神戸女学院大学の生態学的地位;惰性の手柄)
第3章 情況への常識的発言(記号的な殺人と喪の儀礼について;死者とのコミュニケーション;日本属国論;まず日本語を!;「てれび語法」の寒々しさ;貧困層から効率的に収穫するビジネスモデル;「モンスター親」は存在しない;彼らがそれを学ばなければならない理由;著作権についての原理的な問い;情報と情報化;頭を冷やすことの大切さ)
第4章 老いの効用、成熟の流儀(アジア的宗教性;隠居の愉しみ;お金と幸せ;ブログという表現方法;たいせつな本;同時代人へのオマージュ―伊丹十三、手塚治虫、長谷川町子;無人島レコード;ペット・サウンズの思い出;アルジェリアの影―アルベール・カミュと歴史)
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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